2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19255001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 克文 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (50300695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島谷 健一郎 東京大学, 統計数理研究所・モデリング研究系, 准教授 (70332129)
依田 憲 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (10378606)
渡辺 伸一 福山大学, 生命工学部, 講師 (20450728)
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Keywords | バイオロギング / 時間周波数解析 / データロガー / 加速度 / ウェーブレット変換 / 時系列 / データマイニング / 南極 |
Research Abstract |
動物の行動を詳しく分析し、客観的にその特徴を抽出するために、時間周波数解析が簡便に行えるソフトウエア(Ethographer)が開発された。これは、市販の時系列ソフトウェアIgor Proの中で作動する解析ソフトであり、ウェーブレット変換を用いた時間周波数解析を実行し、さらにk-means法によるクラスター分析によって行動パターンの自動分類を簡単に行う事が出来る。従来、研究者が水生動物の鰭を動かす頻度や体軸角度を調べる目的で加速度計を対象動物に取り付けてデータを得ていた。しかし、32Hzといった高頻度で記録される加速度時系列記録は,事前に意図していた情報以外の数多くの行動情報を含んでいる。Ethographerは,客観的な基準に基づいて加速度波形を分類できるだけでなく、事前に予測していなかった発見を掘り起こすといったデータマイニングにも貢献できる。日本バイオロギング研究会のホームページ上でEthographerが公開され、研究会会員がそれをダウンロードして,自らが得た時系列データを解析するといったパターンが定着しつつある.Ethographerは,データロガーによる時系列データを解析するユーザーにとって、使いやすい解析ソフトの一つになりつつある。 本年度も引き続き各種野外調査を進め,対象動物は魚類・爬虫類・鳥類・哺乳類へとまたがっている。さらに,共通の測器を用いて得られたデータを種横断的に比較する事により,体サイズと体の動きの関連性について議論するスケーリングの研究成果が得られた.その内容は英語で記された原著論文にて公表され(Sato et al.2010,Watanabe et al.2011)、さらに、「巨大翼竜は飛べたのか」(平凡社新書)という一般書籍として出版されている。2011年3月にオーストラリアのホバートにおいて開催されたシンポジウムBio-logging IVにおいて、本研究に関係する発表がなされ、また、シンポジウムに併せて開催されたワークショップにてデータ解析についての発表がなされた。
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