2007 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザウイルスの抗原変異予測のためのパターン発見手法に関する研究
Project/Area Number |
19300041
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊藤 公人 Hokkaido University, 人獣共通感染症リサーチセンター, 准教授 (60396314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 礼人 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (10292062)
湊 真一 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (10374612)
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Keywords | パターン発見 / アルゴリズム / 生体生命情報学 / インフルエンザウイルス / 感染症 |
Research Abstract |
本研究では、過去に流行したインフルエンザウイルスの遺伝子データを大規模に解析し、パターンを発見することにより将来の抗原変異を予測する手法を開発することを目的とする。平成17年度は、下記項目に関して研究を行った。 1.基盤アーキテクチャの設計 インフルエンザウイルスの遺伝子情報から抗原変異を予測する問題を形式化した。具体的には、(1)アミノ酸置換履歴データベース、(2)アミノ酸置換履歴からのパターン発見、(3)抗原変異の予測と検証の三項目からなるアーキテクチャを決定し、各項目を相互に関連付ける基盤システムを開発した。 2.アミノ酸置換パターンのクラスと背景知識の選択 進化系統樹を「ノードに文字列を持つ単幹木」というデータ構造として形式化し、1968年から2007年までに流行したH3N2亜型インフルエンザウイルスのアミノ酸置換履歴をデータベース化した。 3.アミノ酸置換履歴からパターンを発見する手法の開発 パターン発見手法として、(1)アミノ酸残基の共変異を高速に発見するアルゴリズム[伊藤2008]、(2)糖鎖付加による抗原変異能力の差を評価する手法[Igarashi2008]、(3)アミノ酸置換の予兆を観測する技術を開発した。 4.抗原変異におけるアミノ酸置換パターンの発見 上記3の(1)〜(3)の手法を用いてHAのアミノ酸配列を大量に解析した。その結果、HAの抗原変異過程において共変異する可能性のある複数のアミノ酸残基を同定した[Minato2007]。さらに、糖鎖付加による抗原変異のポテンシャルは、HA亜型によって潜在的に異なるという可能性を提示した[Igarashi2008]。 5.抗原変異の予測と予測精度の検証 アミノ酸置換履歴から最近のウイルス株を除外した後、アミノ酸置換パターンを利用して、除外した株のアミノ酸配列を予測する計算機実験を行い、予測精度を高めるパターンを模索した。
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Research Products
(7 results)