2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300044
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
飯田 弘之 Japan Advanced Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 教授 (80281723)
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Keywords | 名人の知 / 将棋 / ゲームソフト / ゲーム理論値 / 人工知能 |
Research Abstract |
本研究では名人を超えるコンピュータ将棋TACOSの開発を実施した.人工知能研究の題材として半世紀以上にわたりコンピュータチェスの研究開発がなされてきた.1997年には人工知能が名人を負かし,計算機技術発展のマイルストーンとして世界的な反響を与えた.一方,我が国には囲碁や将棋といった長い歴史を有する伝統文化コミュニティが存在し,その中でも最高の位置を占める名人の技量に匹敵するコンピュータシステムを作成することはそれ自体が大きなインパクトある研究成果と言1える.コンピュータ将棋を題材として人工知能を開発することの意義を再吟味することになった.TACOS対プロ棋士の舞台を整え,公開試合を実施することで成果を公表した.結果は,ほぼ達成したと言える.技術的には,探索の高速化,終盤の寄せ合いの強化,新たな最適化手法の提案による局面評価の洗練,序盤の独創的工夫などが統合として顕著な成果に到達できた. 名人を超えた後のコンピュータの役割を検討した.名人を超えたコンピュータまたはその技術をどのように有効に役立てることができるかについて考察した.将棋や囲碁のように複雑なゲームの理論値を特定する方法を探究し,ゲーム理論値の推定法を提案した.ゲームを解くことの定義を再吟味し,その上で,ゲームを解くことの是非を考察した.手番の概念を解消しストカスティック性を導入し適宜制御することで,一度解かれてしまったゲームを蘇生きせるアイデアを検討し,ゲーム木探索理論,組合せゲーム理論,ゲーム理論の統括的な理論について探究した.
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Research Products
(2 results)