2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300051
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹内 純一 Kyushu University, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (80432871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香田 徹 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (20038102)
高橋 規一 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 准教授 (60284551)
實松 豊 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 准教授 (60336063)
川端 勉 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (50152997)
川喜田 雅則 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教 (90435496)
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Keywords | 学習理論 / 機械学習 / 情報量 / 情報幾何 / 確率的コンプレキシティ / 暗号解読 / 固有値分布 / 一般物体認識 |
Research Abstract |
多量のデータから知識を抽出するための学習技術の研究に対し,情報理論における情報量の観点からアプローチ(情報論的学習理論)している.今年度は,以下の成果を得た. 1.Markovモデルの幾何学 文脈木と呼ばれるグラフで定義される「木モデル(tree model)」に注目し,そのグラフの特徴と木モデルの指数曲率を関連付けることに成功した.すなわち,木モデルが有限状態機械を定義することと,対応する木モデルの指数曲率がゼロでない(曲がっている)ことが等価であることを証明した,木モデルはデータ圧縮の分野では極めて重要なモデルである.また,一般に指数曲率がゼロでない場合,よく用いられるベイズ的アプローチでは与えられたデータを最良に圧縮することが出来ない(確率的コンプレキシティを達成できない)ことが知られている.よって本結果は情報論的学習理論にとって重要な知見をもたらすものである. 2.暗号文からの暗号解読 DES暗号において,平文を用いない「暗号文単独攻撃」について検討した.DES暗号はブロック暗号の一種で,入力ブロックに16回の同じ操作を繰り返すことでランダムな系列に変換する.このとき,得られた暗号文に統計的偏りが存在するならば,それは平文と鍵に含まれる情報の痕跡であり,これを手がかりに解読できる.今年度は,暗号文の統計的性質の調査を行った.さらに,ブロックの各ビット間の分散共分散行列の固有値を用いた解読法の提案と評価を行い,従来方式よりも高い段数まで解読できることを示した. 3.一般物体認識に関する調査 新たな応用の候補として一般物体認識の調査を行った.画像中の物体を制約無しに識別することを目標とするこのテーマは,近年,機械学習に基づく手法が用いられる例が多い.今年度は,現在最も実用に近いとされる機械学習に基づく手法について調べ,一部実装を行った.
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Research Products
(5 results)