2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300088
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
汪 金芳 Chiba University, 大学院・理学研究科, 准教授 (10270414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 尚幸 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教 (40312988)
津熊 久幸 東邦大学, 医学部, 講師 (50424685)
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Keywords | cain algebra / conditional independence / contingency table / generalized Bayes estimator / logistic regression / Markov base / matrix normal distribution / shrinkage estimator |
Research Abstract |
本年度得られた主な成果は以下の通りである。 1.昨年度に引き続きケーイン代数(cain algebra)について基礎的研究を行った。因果推論における本質的な概念である条件付き独立性の理論をケーイン代数の枠組みで捉えることに成功した。得られた主な成果をAnnals of the Institute of Statistical Mathematicsの特集号「Algebraic Methods in Computational Statistics」での掲載が確定している。 2.分割表モデルの正確検定について研究を行った。離散共変量のロジスティック回帰モデルのマルコフ基底の構造は非常に複雑であることが知られている。マルコフ基底はすべてのファイバーを連結に結ぶ推移子の集合として定義されるが,実用上は与えられた標本が属するファイバーのみ連結に結ばれれば十分であるので、マルコフ基底のすべての要素が必要とは限らない。ここでは各共変量ごとの標本数が正という実用的な仮定の下では、単純な構造の推移子のみからなる部分マルコフ基底によってすべてのファイバーが連結に結ばれることを示し、この事実を用いて正確検定アルゴリズムの導出を行った。 3.分散構造が未知のときの行列型正規分布の平均行列の推定問題において,2乗損失関数に対するある一般化ベイズ推定量のミニマクス性の証明に成功した。 4.楕円型分布族における,凸集合に制約されている平均ベクトルの推定問題を扱い,制約つき最尤推定量がその縮小型推定量によって改良されることを証明した。また、その改良のための条件を求めた。 5.複数の正規分布に関する分散パラメータ(精度パラメータ)の同時推定問題を2乗損失関数のもとで考え,縮小型および拡大型推定量がミニマクスになるための条件を求めた。また、ベイズ推定に関する事前分布の特徴付けに関する結果が得られ,この結果からいくつかの一般化ベイズ推定量を導出した。
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