2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300114
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
重本 隆一 National Institute for Physiological Sciences, 大脳皮質機能研究系, 教授 (20221294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 良章 独立行政法人理化学研究所, 平瀬研究ユニット, 研究員 (10425423)
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Keywords | 海馬 / グルタミン酸受容体 / 左右差 / 記憶 / シナプス / スパイン / NR2B / GluR1 |
Research Abstract |
左右の海馬シナプスにおけるグルタミン酸受容体の非対称性配置 シナプスにおけるグルタミン酸受容体の数はシナプス伝達の基本的要素のひとつである。我々は最近、マウスの海馬CA1領域において左右のNMDA型グルタミン酸受容体サブユニットNR2Bの量が非対称であることを発見した。反対側海馬からの交連線維を切断した後では、NR2Bの選択的阻害薬Ro2569-81の効果が右よりも左のstratum radiatumで大きく左よりも右の,stratum oriensで大きかった。そのような動物からシナプス後肥厚部タンパクを精製しNR2Bの量を免疫プロット法で定量したところ右より左のCAI radiatumで1.5倍のNR2B免疫反応性を検出した。今回は免疫プロット法とレプリカ免疫電子顕微鏡法(SDS-FRL freeze-fracture immunolabeling method)を用いてNR2Bの非対称性を確認するとともに、AMPA型受容体サブユニットのGluR1がNR2Bと反対方向の非対称性を持っていることを明らかにした。SDS-FRL法では細胞の表面を直接免疫反応できるため効率よくシナプスの受容体を可視化でき、左のCAI stratum radiatumで右の1.5倍のNR2Bを検出し、右で左の1.5倍のGluR1を検出した。この結果は免疫プロット法とよくあっている。われわれはこの非対称性がシナプスの構造や機能にどのような影響を及ぼすかについて調べ、シナプスの形と大きさにも非対称性があることを発見した。右から入力を受けるCAI stratum radiatumのシナプスは、左からのものより1.5倍ほど大きくマッシュルーム型が多かった。
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Research Products
(19 results)