2008 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量G蛋白質ARF6による樹状突起の形成制御機構と高次神経機能の解明
Project/Area Number |
19300119
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
阪上 洋行 Kitasato University, 医学部, 教授 (90261528)
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Keywords | 低分子量G蛋白質 / 樹状突起 / 細胞骨格 / 神経可塑性 / 海馬 / シグナル伝達 / シナプス / シナプス後肥厚部 |
Research Abstract |
ADPリボシル化因子6(ARF6)は、形質膜のリサイクリングや細胞骨格の制御を介して多彩な神経機能に関与する低分子量G蛋白質である。ARF6はグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)の作用で活性化するが、近年、多様なARF6-GEFの分子種が神経系で発現していることが明らかになってきた。昨年度、申請者は、 Brefeldin A resistant ARF-GEF (BRAG)ファミリーに属する新規Arf6-GEFであるIQ-ArfGEF/BRAG1の発現解析を行ない、興奮性シナプスのシナプス後肥厚部(PSD)に局在し、 PSD-95、 NMDA型グルタミン酸受容体、カルモデュリンキナーゼIIαと複合体を形成することを明らかにし報告してきたが、本年度、さらに本分子のPSDにおける分子ネットワークを明らかにすべく、酵母ツーハイブリット法により、相互結合蛋白質の探索を行った結果、 PSDの構成蛋白質の一つであるinsulin receptor tyrosine kinase substrate of53kDa (IRSp53)とC末領域のプロリン配列を介して直接結合することを明らかにした。さらにIQ-ArfGEF/BRAG1のC末領域が棘突起への局在に重要であることを明らかにしBrain Research(2009)に報告した。また、 ARF6-GEFであるEFA6A分子の網膜での発現局在を検討した結果、光受容細胞のシナプス終末の突起部で、 Dystrophin/β-dystroglycanと部分的に一致した特徴的な細胞内局在を示すことを明らかにし、光受容細胞におけるEFA6AとDystrophin/β-dystroglycanとの機能的な連関の可能性が示唆された(Brain Research(2008)。以上、申請計画に従って確実に研究成果を得て進展させている。
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