2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300152
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
栗城 眞也 Hokkaido University, 電子科学研究所, 教授 (30002108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横澤 宏一 北海道大学, 医学部, 教授 (20416978)
竹内 文也 北海道大学, 医学部, 准教授 (30281835)
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Keywords | 脳情報 / 脳磁界 / 認知機能 / 情報処理 |
Research Abstract |
本研究では、認知的脳情報を無侵襲的に取得し、工学的応用性の高い定量的信号として抽出することを目的とし、MEG(脳磁界)計測を中心として脳情報の検出技術と読み出し技術の検討を行った。 ヒトの聴覚誘発活動は高調波成分に敏感であり、刺激音の特性により特徴的な反応を示す。そこで時間波形を制御した複合音を合成し、長潜時誘発MEG反応(100〜200ms)の波形依存性を調べた。その結果、反復する刺激音に対しN1m反応の振幅は周期性に強く依存するのに対し,P2m反応には時間波形の位相と周期性がピーク潜時や振幅に影響することが分かった。音の周期や位相特性は独特の音響的知覚を与えることから、N1mやP2mによる複合音認知情報の検出可能性が示された。 楽器音の組み合わせからなる和音の時間的配列(進行)は、起承転結のような認知プロセスを誘起することから、西洋音楽の構造基盤となっている。完結終始する和音に対する聴覚誘発反応が内的期待により変調される可能性について、専門的な音楽教育学習経験のない被験者を対象にMEG計測を行った。その結果、最終和音により誘発されるN1m反応は、対照和音列より有意にN1m振幅が増高することがみられた.音楽的な進行をする和音列は聴者にその進行を強く想起させる事で,聴覚野の活動が変化したと考えら、音楽的プライミングによる聴覚認知活動の変調が示された。 以上の誘発反応に加え、リアルタイム性を追及するために自発脳活動リズムの解析のツール開発を行った。数秒の単位でMEG信号を切り出してFFTやWavelet解析を行い,その結果をMEGセンサ面にトポグラフィー表示する技術を開発した。周波数帯域と時間領域の中で自発リズム成分を同定し、つぎに時間と周波数を絞り込んだ信号に対して振幅変調を調べた。その結果、視覚刺激によるアルファ波変調の空間特性が可視化できるようになった.
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Research Products
(9 results)