2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞表層工学による次世代ナノバイオマテリアルの創製
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19300176
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤本 啓二 Keio University, 理工学部, 准教授 (70229045)
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Keywords | 細胞接着性ペプチド / 人工細胞外マトリックス / 細胞凝集体 / 伸展性 / 増殖性 / 細胞間接着 / 細胞組織の再構築 |
Research Abstract |
細胞接着部位としてこの細胞接着性ペプチドを有したポリマー鎖を作製し、これを人工細胞外マトリックスとして細胞に作用させることで、細胞の接着挙動の制御を試みた。凝集体形成過程を観察したところ、マルチリガンド型およびダブルリガンド型のどちらのポリマー鎖を用いた場合も、ポリマー鎖を用いない場合と比較して凝集体の形成が促進される傾向が見られた。さらに、これらの凝集体を基板に播種すると、ダブルリガンド型ポリマーでは伸展性・増殖性が向上したのに対し、マルチリガンド型ポリマーにおいては伸展が抑制され、凝集体の形状が保持される傾向が見られた。ただし、マルチリガンド型ポリマーを用いた細胞凝集体においても溶媒中に共存したポリマーを除去することにより伸展性を向上させられることがわかった。これは、ダブルリガンド型ポリマーにおいては細胞を点で結び付けるが、マルチリガンド型ポリマーにおいては細胞同士を多点でかつ近距離で連結させるため、細胞間接着が増強されたものと考えている。これらのポリマーを用いた細胞凝集体により、細胞組織の再構築プロセスを制御することができ、分散状態の細胞にはない性質を付与できる可能性を見出した。
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