2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者・障害者配慮設計技術開発に向けて-加齢と指先の触知覚特性の関係
Project/Area Number |
19300205
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
藤本 浩志 Waseda University, 人間科学学術院, 教授 (60209103)
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Keywords | 加齢 / 触知覚特性 / 高齢者 / 視覚障害者 / 触知記号 / 識別容易性 / 指先の基本特性 / 単純幾何学図形 |
Research Abstract |
超高齢社会を迎え,既存の様々な製品の設計を見直し,高齢者・視覚障害者に配慮した製品設計の技術の開発が急務となっている.そこで,本研究ではその設計技術の開発の際に必要な触知覚特性のデータを収集することを目的として,様々な触知覚特性に着目して,それらと加齢の関係を明らかにする.これらの研究は,超高齢社会を目前に控えた現在,我が国の一つの基盤研究として地道ではあるが取り組んでおくべき課題である.なぜなら,高齢者・障害者配慮の製品設計技術の開発が火急の課題として求められており,そのためには本研究のようなヒトの感覚特性のデータが不可欠である.その開発を通じてISO/IECガイド71の提案国である我が国が,福祉分野あるいはアクセシブルデザインの分野における国際的なリーダーとなることが期待されているからである. 機器の操作スイッチに凸記号表示として用いられている凸ドットや凸バー等の触知記号の識別特性に関して,適切な記号の形状やサイズの実験用触知サンプルを製作し,高さや先端の曲率半径ならびに加齢による影響を評価するための実験を行った.実験の結果より,加齢の影響によって操作時間やエラー率に関してパフォーマンスが低下する傾向が認められた.また年齢に依らず,凸点については高さが支配因子であり,凸バーについては長辺と短辺の差が識別容易性に影響を及ぼすことがわかった.また具体的な事例として,携帯電話の5キーに付す凸点の影響を明らかにするために,片手操作のみならずしばしば高齢者が行う両手操作にも着目し,若年者のみならず高齢者の協力も得て評価実験行った.その結果,それぞれの操作様式において特徴的な操作性の違いが明らかになった. これらの結果は,若年者に限らず高齢者も日常一般的に用いる機器に付される凸記号に関する国内外の規格を策定する際の貴重な参考データとして期待される.
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Research Products
(17 results)