2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19300244
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
宮澤 三雄 Kinki University, 理工学部, 教授 (40140305)
|
Keywords | 植物精油 / 認知症 / アセチルコリンエステラーゼ阻害 / β-セクレターゼ活性阻害 / アミロイドβ |
Research Abstract |
認知症の根本的治療薬は未開発な状態であり、予防・改善法が全世界的に求められている。認知症の予防・改善策として現在次の2つが注目されている。1)アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害活性を発現する成分を用いて、脳内アセチルコリン量を高める。2)βセクレターゼ(BACE1)阻害活性を示す成分を用いて、老人斑の生成を抑制する。本研究の目的は、植物が示す強力な生理活性物質の心地好い“香り"を楽しみながら、認知症改善・予防両面へのアプローチ集束を行う画期的な「新芳香療法」開発であり、実用化に対しては内服薬と異なり、副作用等の問題がなく、開発は容易である。本年度は以下の結果を得た。 1.植物香気物質の解明 タイハーブであるイエローバタイ、キク科植物(ノコンギク、キクイモ)、山菜(青ミズ、赤ミズ、熊柳)、孟宗竹など各種植物を用いて、連続水蒸気蒸留法によって各種香気物質(精油)を得、GC-MSおよびGC-Olfactory(匂い嗅ぎ分析)解析をすることにより精油構成成分及び香りに強く関与する香気物質を解明した。 2.アセチルコリンエステラーゼ阻害活性 青ミズ、赤ミズ、熊柳などの山菜精油を中心にアセチルコリンエステラーゼ阻害活性について検討した。その結果、数種の精油において強い阻害活性を見出した。 3.βセクレターゼ阻害活性 各種精油の主要香気物質についてβセクレターゼ阻害活性について検討を行った。その結果、数種の物質において若干の阻害を示すことを見出した。 以上の結果から、精油の認知症改善・予防に対する有用性を明らかにした。
|
Research Products
(25 results)