2008 Fiscal Year Annual Research Report
中国大陸から風送された汚染黄砂による呼吸器疾患の増悪と日本におけるその疫学調査
Project/Area Number |
19310026
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
市瀬 孝道 Oita University of Nursing and Health Sciences, 看護学部, 教授 (50124334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 雅高 国立環境研究所, 環境分析化学研究室, 室長 (80228171)
岸川 禮子 国立病院機構, 福岡病院内科・アレルギー科, 医長 (50450945)
今井 透 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (00130146)
吉田 成一 大分県立看護科学大学, 看護学部, 講師 (40360060)
定金 香里 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教 (20322381)
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Keywords | 黄砂 / アレルギー / 花粉症 / 気管支喘息 / 疫学調査 / 微生物 / 変異原性 / 動物実験 |
Research Abstract |
1.日本に飛来した汚染黄砂のマウス喘息モデルへの影響:日本に風送される汚染黄砂のアレルギー増悪作用を明らかにするために、壱岐の大気中から採取した風送黄砂とその熱処理黄砂(毒素Freeとなる)の影響を、気管支モデルマウスを用いて比較した。非熱処理黄砂は熱処理黄砂に比較して著しいアレルギー増悪作用(好酸球数の増加、生理活性物質の相乗的増加)を示した。黄砂付着微生物などがアレルギーに関与している可能性を示唆した。 2.黄砂飛来地域における疫学調査:平成20年2月1日〜20年5月31日に黄砂飛来地域(北九州〜大分)において大学生約230人を対象に上気道の鼻、中気道の喉頭、下気道の気管支と肺の症状を中心に疫学調査を行なった。これらのデータは解析中である。 3黄砂現象の福岡市喘息患者への影響調査:福岡市における黄砂の気管支喘息患児への影響について検討した。K病院に外来受診した気管支喘息児100例の41%に黄砂による喘息症状の悪化が見られた。同時に開業医への黄砂の影響に関するアンケート調査を行なった結果、黄砂現象後に呼吸器疾患患者の受診数が60%増加することが分かった。 4.黄砂の生存微生物種の検査:中国の砂漠地域の黄砂及び北京採取降下煤塵について、16SrRNA遺伝子のPCRによる増幅、塩基配列の決定を行い、菌種を推定した。両者の試料からBacilus属、Brevibacillus、Paenibacilus属田Terribacillus属、Alkanibacllus属及びAneurinbacilus属等の有芽胞菌も検出された。北京降下煤塵ではSphingomonas属、Caulobacter属及びAsticcacaulis属等のグラム陰性菌が検出された。日本飛来黄砂は来年度測定する。
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