2008 Fiscal Year Annual Research Report
集団行動と個人意識の関係が環境政策の効果に与える影響についての研究
Project/Area Number |
19310031
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
鷲田 豊明 Sophia University, 地球環境学研究科, 教授 (50191739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沼 あゆみ 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (60203874)
坂井 豊貴 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 准教授 (50404976)
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Keywords | ゲーム論 / 経済実験 / カニズムデザイン / 環境政策 |
Research Abstract |
平成20年度は、特に、実験的手法を多用し事例の分析研究を行った。一つは、複数の地域でお金を出し合って迷惑施設を建てる問題において,効率的かつ公平な意思決定を実現するゲーム理論的なメカニズムについて,実験により実際的な性能を検証した。坂井は,2008年秋に開かれた日本経済学会での特別報告と,2009年1月に開かれた日仏先端科学シンポジウムでの招待講演に招かれ,これら結果について報告を行った。大沼は、生物が狩猟される状況の下での狩猟許可証配分の効果を、密猟を考慮した場合に分析した。さらに、国際河川の水資源配分において、国際間で協調しても水使用総量が増大し、淡水生態系への悪影響が生じる可能性があることを指摘した。鷲田は、温暖化対策において、国家間の相互関係が環境政策に与える影響をゲーム論とシミュレーション的手法によって分析した。すなわち、各国が自国の利益だけを考えて温暖化ガスの排出量を最適化した場合のナッシュ均衡と、適切な交渉を行った場合のナッシュ交渉解の動学的経路を比較分析した。これについては、慶應義塾経済学会のセミナーで発表した。これらの研究をふまえて、2008年11月22日に、われわれの研究グループ主催で、International Symposium on New Development in Environmental Economics(環境経済学の新展開に関する国際シンポジウム)を開催した。海外から、講演者としてAnders Skonhoft氏(Norwegian University of Science and Technology)およびMichael Springborn氏(University of California, Davis)、国内研究者7名を招待し、研究成果の交流を行った。
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Research Products
(15 results)