2009 Fiscal Year Annual Research Report
アドミセルの高機能化とバイオレメディエーションの融合による排水浄化システム設計
Project/Area Number |
19310048
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平出 正孝 Nagoya University, 工学研究科, 教授 (20111833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 徹 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (40186945)
松宮 弘明 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (10362287)
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Keywords | 水処理 / バイオレメディエーション / 凝集沈殿法 / 疎水性有機汚染物質 / 界面活性剤 / アドミセル / 水酸化アルミニウム / バクテリア |
Research Abstract |
アドミセル分離媒体の設計と高機能化によって、疎水性有機汚染物質を迅速かつ高収率で捕集し、水中から除去する方法を確立した。今年度は、水酸化アルミニウムを担体とするアドミセルの作成とそれを用いる各種疎水性有機汚染物質の捕集を試みた。アニオン界面活性剤の吸着により、水中に細かく分散した水酸化アルミニウムは凝集し、すみやかに沈降するようになった。微視的環境プローブを用いる蛍光スペクトルの測定により、水酸化アルミニウム表面には疎水環境が形成されていることがわかった。界面活性剤吸着水酸化アルミニウムによれば、通常の凝集沈殿法によってはほとんど除去できなかった多環芳香族炭化水素、アルキルフェノール、クロロフェノール、有機塩素系殺菌剤、有機リン系農薬及びステロイドホルモンなど様々な疎水性有機汚染物質を捕集することができた。疎水性有機汚染物質を取り込んだ沈殿は静置によっても水から分離できたが、上昇気泡を用いるフローテーションによってさらに迅速かつ連続的に水中から分離・回収することができた。一方、捕集された疎水性有機汚染物質は、アニオン界面活性剤により活性化するバクテリアにより、分解された。また、有機リン系農薬は、カチオン界面活性剤を吸着させたシリカゲルに迅速に捕集され、固体表面で密に配向した界面活性剤の触媒効果によって室温で加水分解し、毒性の小さな物質に分解した。以上のように、従来の水処理技術にわずかな改良を行うだけで、多種類の疎水性有機汚染物質が効果的に除去できた。また、触媒作用やバクテリアの働きを用いる低環境負荷浄化技術についても有用な知見を得ることができた。
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Research Products
(8 results)