2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境・エネルギー創製システムを指向した酸化物ナノチューブの高次構造制御と機能共生
Project/Area Number |
19310051
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
関野 徹 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 准教授 (20226658)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠瀬 尚史 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (60314423)
|
Keywords | 酸化物ナノチューブ / 環境材料 / 吸着挙動 / 光触媒 / 低次元ナノ複合化 / ドーピング / 高次機能 / 化学合成 |
Research Abstract |
低次元ナノ構造を持つ酸化チタンナノチューブ(TNT)について、高性能環境浄化システムやエネルギー創製システムなどへの展開を目的として、構造を結晶及びナノレベルで設計・制御・複合化して高次機能化を行い、以下の成果を得た。 1.溶液化学的合成法を最適化し、多様な元素、特に稀土類元素で修飾したTNTを合成した。TNT合成時に元素を同時添加する方法では固溶型TNTが生成することを見出した。加えて純粋なTNTに多様な元素の陽イオンを吸着させ、熱処理することで、ナノ複合型TNTが得られる事を明らかにした。 2.固溶型TNTでは有機分子(メチレンブルー)吸着能が純粋なTNTに比較して向上すること、そのメカニズムを明らかにした。加えて稀土類添加により蛍光発光特性が付与出来ることを見出した。 3.溶液化学的手法による合成方法を室温条件下で行うことによっても、配向型TNTをはじめとして、酸化チタンナノシート(TNS)等の多様な形態、配向性を持つ材料を基板上に直接合成するることに初めて成功した。これら多様なナノ構造を持つ材料でも、TNT粉末同様に優れた吸着能を持つ高次機能を有することを明らかにした。 4.合成したTNTが優れた光触媒特性を示すことを確認すると共に、増感型太陽電池セルの電極として有効に作用することを確認した。 5.溶液組成を制御した電気化学的手法により、高配向なTNT配向膜を金属Ti上に直接高速合成する手法を確立した。 6.得られた一連のTNT系材料は、優れたエネルギー・環境調和機能ばかりでなく、生体適合性や生体材料のホスト材料として機能することも合わせて見出した。
|