2007 Fiscal Year Annual Research Report
重要伝統的建造物群保存地区の水利と市民防災力を考慮した地震火災対策に関する研究
Project/Area Number |
19310106
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大窪 健之 Ritsumeikan University, COE推進機構, 教授 (10252470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正美 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (50109021)
土岐 憲三 立命館大学, 理工学部, 教授 (10027229)
益田 兼房 立命館大学, COE推進機構, 教授 (50313317)
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Keywords | 重要伝統的建造物群保存地区 / 防災水利 / 市民防災力 / 地震火災対策 / 住民ワークショップ / 地区防災計画 |
Research Abstract |
(1)現況の地理・社会特性・防災対策および地震被害想定等の調査 現状評価を得るワークショップを行うための準備として、72地区の重要伝統的建造物群保存地区(以下、重伝建)に対し防災計画や被害予測の有無や内容について資料収集・アンケート調査を行った。この結果61地区より回答を得て、内容の整理を行った。 (2)地区の被災史および災害対策の歴史に関する調査 選定地区について、将来被る可能性のある災害を明らかにするために行う「過去の災害史に関する調査」を実施した。防災計画を計画中の篠山市篠山、事業実施中のうきは市筑後吉井、事業の完了した南丹市美山町北、の3地区を選定し、ヒアリング及び資料収集を実施した。 (3)地域住民および住民組織のコミュニティ活動と防災活動等の調査 地域住民主体の防災活動あるいは日常的な地域活動について調査を行った。上記3地区に加え、活動の活発な恵那市岩村町本通り、香取市佐原、さらに今後活動を進める要望があったため、重伝建以外の京都市法金剛院周辺地域について、活動の現状についてヒアリング調査を実施した。 (4)地区内及び周辺に立地する個別文化遺産の特性調査(現有防災設備+水や緑地など) 地区内及び周辺に立地する個別の文化遺産、特に城社寺等の特性を避難場所・水利拠点という2つの観点から防災拠点として活用する際の有効性について調査・整理した。篠山、筑後吉井、美山町北、法金剛院周辺の4地区を対象として、図面や現地実測によって神社仏閣の境内の面積や、防火帯となりうる緑地の分布、ため池などの水量の実測、地域住民へのヒアリングを行い、防災水利拠点や避難場所としての有効性を評価した。 (5)地域住民による防災ワークショップの実施 以上を整理し、上記4地区を対象として、地震火災時の地域危険度を評価するための市民ワークショップ(図上防災訓練)を実施した。 以上の成果は、篠山においては実際の地区防災計画の策定に活かされ、法金剛院周辺においては寺院と住民との協働防災訓練開始へと結びつき、他の2地区においても自主的な市民防災行動計画づくりへのきっかけとなった。
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Research Products
(3 results)