2008 Fiscal Year Annual Research Report
重要伝統的建造物群保存地区の水利と市民防災力を考慮した地震火災対策に関する研究
Project/Area Number |
19310106
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大窪 健之 Ritsumeikan University, 理工学部, 教授 (10252470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正美 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (50109021)
土岐 憲三 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 教授 (10027229)
益田 兼房 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 教授 (50313317)
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Keywords | 重要伝統的建造物群保存地 / 地震火災 / 市民防災 / 防災訓練 / 住民参加 / ワークショップ |
Research Abstract |
本研究の目的は、伝統的な木造建築の密集した街並み(以下、重伝建地区と略称)を、地震火災から守るため、断水のない風土の水資源を防火用水として再生活用し、地域住民の防災活動への潜在能力を高めることで、地域防災力を高める方策を研究することにある。 本年度は、昨年度に選定した3地区のうち、京都府美山町(防災水利整備済み)および兵庫県篠山市(防災水利整備前)の2地区を対象とし、昨年度に実施したワークショップ「図上防災訓練(DIG)」による地域住民の防災意識の変化を把握するため、まず(1)事後評価アンケートを実施した。この結果、多くの住民が危険性への認識を改めたことが示された。 次にDIGにより得た住民提案とアンケート結果を整理することで、(2)次なるワークショップ「発災対応型防災訓練」を企画・実施した。消火器設置場所の設定、バケツリレー訓練、放水銃の操作訓練、避難経路の確認などを実施した。訓練による効果を把握するため、訓練の前後で意識調査のためのアンケートおよび、訓練中のヒアリング調査を行った。 最後に以上の結果を整理することで、(3)発災対応型防災訓練の住民意識に及ぼす影響について分析を行った。この結果、整備前(篠山)の地区でのワークショップでは、地域の防災体制の現状を明らかにする、自然災害に備えた対策を考えるきっかけとなる、今後の防災整備事業を行うにあたり地域住民の意見を反映させるきっかけになる、等の効果が得られた。一方の整備後(美山町)の地区でのワークショップでは、整備された防災設備の安全性と機能性を確認できる、防災設備が機能しない場合のフェイルセーフを考える機会になる、防災設備の改善策などを実際に使う地域住民から得られる、等の効果が得られた。
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Research Products
(2 results)