2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムと核オルガネラの統合的な理解に向けてのスモ修飾研究
Project/Area Number |
19310131
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
斉藤 寿仁 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50211925)
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Keywords | タンパク質 / シグナル伝達 / ユビキチン修飾 / SUMO修飾 / 細胞増殖 / 細胞分化 |
Research Abstract |
SUMOとユビキチンによるタンパク質の修飾とプロテアソーム分解の制御の研究は、欧米を中心に世界的な競争が激しさを増しつつあるが、本年度は特にSUMO2/3ポリマー鎖による修飾と核ドメイン制御や細胞増殖と分化のシグナル伝達について着目し研究を進めた。 RNF4、 Nip45、 HomeZ、 Zimp10といった新規のSUMOとユビキチン修飾の両方に関わる制御因子の機能解析や脱SUMO化プロテアーゼの研究に大きな進展がみられた。研究室に導入したメダカの受精卵システムが、初期発生におけるSUMO修飾とタンパク質分解の役割を明らにするうえで極めて有効であることが分かった。以下1)-3)に具体的な成果を示す。1)ポリSUMO2/3鎖を認識するRING型ユビキチンリガーゼRNF4の新規基質の探索・同定:in vitroのユビキチン化反応を確立した。大腸菌SUMO化反応系はすでに申請者の研究室で確立されている。酵母2ハブリッドによるSUMO3やNip45相互作用因子の中から、RNF4との相互作用、 SUMO化基質の可能性、ユビキチン化について検討した。すでにRNF4基質として解析を進めているZimp10, HomeZについて、修飾部位とRNF4認識部位を決定した。Homezに対する特異的抗体を作製し、それらを用いて細胞生化学的な解析を行った。2)Nip45によるポリSUMO鎖タンパク質の分配と分解の制御:上述の項目1)で同定された因子とNip45との相互作用およびその阻害実験から、候補因子の局在・安定性の制御を解析した。3)メダカ初期発生におけるSUMO-Ubiリレーとタンパク質分解経路解析:SUMO-Ubiリレー因子群に対するglipRNA(アンチセンスRNAの一種)をメダカ受精卵に導入後、発生過程における表現形を観察し、阻害効果について分子・細胞・組織で解析した。
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Research Products
(13 results)