2008 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の不規則領域と選択的スプライシングに関するヒトプロテオーム情報解析
Project/Area Number |
19310133
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
西川 建 Maebashi Institute of Technology, 工学部・生命情報学科, 教授 (10093288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福地 佐斗志 前橋工科大学, 国立遺伝学研究所・生命情報・DDBJ研究センター, 助教 (70360336)
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Keywords | 天然タンパク質 / 構造ドメイン / 不規則領域 / 転写因子 / 真核生物 / ゲノム |
Research Abstract |
当初の研究計画で挙げた2つの課題のうち、第1の「膜タンパク質における不規則領域の情報解析」は初年度(19年度)中に所期の目標を達成することができた。しかし、その中から解決すべき新たな課題として次のような問題が浮上した。それは、従来の天然変性タンパク質の情報解析では、タンパク質の全長を構造ドメインと不規則領域のほかに、どちらへも帰属されない未知の「空白領域」に3分割してきたが、そのような取扱いは不自然ではないかという疑問である。本来、天然変性タンパク質はドメインと不規則領域からなるはずであり、これまで空白領域とされてきた部分は未知の構造ドメインか、もしくは不規則領域のどちらかの可能性しかない。すなわち、タンパク質分子を構造ドメインと不規則領域に2分すべきだと考えた。以上のような方針の下に、我々は与えられたアミノ酸配列を構造ドメインと不規則領域に分割しうる判別プログラムDICHOTを開発した。DICHOTでは、従来法のドメイン同定法(構造既知のドメインに対するホモロジー検索)と不規則領域予測(アミノ酸組成の偏りを利用)に加えて、不規則領域では配列の保存性が極端に低いという特性を判別基準として取り入れた。既知の天然変性タンパク質(58種類)に対するテストでは、DICHOTの判別精度が97%に達するという良好な結果を得た。また、DICHOTをヒト転写因子(401種類)に適用して以下の結果を得た:構造ドメインの残基割合は38%(うち構造未知ドメインは4%)、不規則領域は62%となり、不規則領域が全長の6割以上に及ぶことを明らかにした。なお以上の結果は論文にまとめて発表した。
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Research Products
(4 results)