2008 Fiscal Year Annual Research Report
人工ムチンの機能設計に基づく変異克服型抗インフルエンザウイルス剤の開発
Project/Area Number |
19310141
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
碓氷 泰市 Shizuoka University, 農学部, 教授 (50111802)
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Keywords | Glycotechnology / Influcnza virus / Glycomimetics / Artificial mucin / Molcular design / Glycomaterial / Chemoenzymatic synthesis / Glycoconjugate |
Research Abstract |
インフルエンザウイルスの感染、接着に関わる特定の受容体シアロオリゴ糖鎖を高い反応効率で、且つ単純な手法でポリペプチド上(納豆菌由来γ-ポリグルタミン酸)に多価に配した人工ムチン(糖鎖含有ポリペプチド)を機能設計し、感染阻害活性を飛躍的に高めた強力な変異克服型抗インフルエンザウイルス剤の開発を目的とした。 インフルエンザウイルスに対する強力なバリア材料の開発を念頭に人工糖鎖ポリペプチド(人工ムチン)の機能設計を行った。人工糖鎖ポリペプチドの大量生産を克服するため、糖鎖ポリペプチドを単純化したモジュールとし各々をウイルス受容体糖鎖構造部、スペーサー部、ポリペプチド部に3分割し設計にあたり、単純かつ簡便なプロセスで効率的に繋ぎ合わせる画期的結合手法(グライコモジュール法)を開発した。始めに受容体糖鎖とスペーサーを繋ぎ合わせO-型及びN-型配糖体を合成した。これら配糖体を納豆菌由来γ-ポリグルタミン酸側鎖に導入し各種アシアロ型糖鎖ポリペプチドを作製した。これらアシアロ体にシアル酸を酵素付加したSiaα2,3/6LacNAcシアロ型糖鎖ポリペプチドの実践的合成法を確立した。これら作製した人工ムチンライブラリーをインフルエンザウイルス感染阻害試験に供したところ、Siaα2,6LacNAc側鎖を含むシアリル糖鎖ポリペプチドは、ヒト型インフルエンザウイルスAと強力に結合するのに対し、Siaα2,3LacNAc/Lac側鎖のそれは、トリ型インフルエンザウイルスAに結合特性を示した。
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Research Products
(10 results)