2009 Fiscal Year Annual Research Report
人工ムチンの機能設計に基づく変異克服型抗インフルエンザウイルス剤の開発
Project/Area Number |
19310141
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
碓氷 泰市 Shizuoka University, 農学部, 教授 (50111802)
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Keywords | Glycotechnology / Influenza virus / Glycomimetics / Artificial mucin / Molcular design / Glycomaterial / Chemoenzymatic synthesis / Glycoconjugate |
Research Abstract |
インフルエンザウイルスの感染、接着に関わる特定の受容体シアロオリゴ糖鎖を高い効率且つ単純な手法で高密度に天然素材ポリペプチドである納豆菌由来γ-ポリグルタミン酸ベースのに配して抗原性の変異克服した強力な抗インフルエンザウイルス剤を構築することを目的とした。 まず、作製したOおよびN結合型一連の糖鎖含有ポリペプチドの構造と活性との相関を検証した。その結果、トリ型およびヒト型インフルエンザウイルスに対する感染阻害試験の結果から両型の受容体糖鎖特異性は末端シアル酸の結合様式において異なるだけでなく、そのコアとなる内部糖鎖構造も活性に大きく関与していた。この内部糖鎖構造に対する活性の違いはヒトとトリで大きく異なっており、特にヒト型ウイルスにおいては内部糖鎖の延長は著しい活性の増大をもたらのとは対照的にトリ型では内部糖鎖の延長は活性の減少をもたらした。 そこで本活性に関与する内部糖鎖をアルキル直鎖に置き換え、末端をシアリル三糖に限定した各種糖鎖ポリペプチドを新たに合成した。その結果、内部糖鎖の場合と同様に、アルキル鎖の延長は阻害活性の増大と対応し、アルキルスペーサーは糖鎖ミメティックとして充分に利用できることを見出した。この機能設計に基づく最終的成果は、インフルエンザウイルス吸着剤の実践的量産化に見通しを与えた。
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Research Products
(9 results)