2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本と南アフリカにおけるリージョナル協力と国際人口移動-人間安全保障の展望
Project/Area Number |
19310160
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
佐藤 誠 Ritsumeikan University, 国際関係学部, 教授 (70205962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯 陽一 大阪大学, グローバルコラボレーションセンター, 准教授 (30257589)
ジョルジオ シャーニー 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (60351318)
CARLOS M.R.D. 龍谷大学, 国際文化学部, 准教授 (90335414)
中村 尚司 龍谷大学, 人間科学宗教総合研究センター, 研究員 (50172424)
佐藤 千鶴子 立命館大学, 衣笠総合研究機構, ポストドクトラルフェロー (40425012)
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Keywords | 国際人口移動 / 人間安全保障 / 地域間比較研究 / 国際研究者交流 / 南アフリカ・フィリピン / 医療労働者 |
Research Abstract |
今年度は、(1)フィリピンおよび南アフリカにおける現地調査、(2)オランダの国際会議への参加を通じた理論動向の調査、(3)定例研究会の実施を中心に研究を進めた。 (1)フィリピン現地調査には、佐藤誠、カルロス、佐藤千鶴子が参加し、フィリピンからの看護・介護労働者移出の現状およびそれがフィリピン国内の医療サービスにどのような影響を及ぼしているのかについて、フィリピン保健省、海外雇用庁、看護協会、看護学校講師などへの聞き取りを通じて調査した。南アフリカでは、峯、坂田、ジワが同国の移民政策ならびに同国におけるアフリカ人コミュニティの動態について資料収集を行ったほか、カルロス、佐藤千鶴子が南アフリカ人医師・看護師の海外流出の現状について調査を行った。両国での調査を通じて、送り出し国・受け入れ国双方にとっての人間の安全保障の確保という視点の重要性を再確認すると同時に、医療労働者の国際移動を一つの焦点とするという方向性が確立された。 (2)オランダで開催された国際人口移動と人間安全保障に関する国際会議(8月30-31日)に佐藤誠、峯が参加し、国際的な学界の動向について情報収集を行った。人間安全保障論には概念上のあいまいさという問題が存在するものの、国際人口移動の分析枠組みとしての有効性はいまだ失われていないことがわかった。 (3)定例研究会は通年で5回実施した。小島、佐藤千鶴子、鄭らが日系ブラジル人の教育問題、看護師の国際移動の現状、韓国の移民政策の変遷などそれぞれの担当分野について報告したほか、南アフリカ・プレトリア大学から海外共同研究者であるフセイン・ソロモン教授およびニコラ・デヤヘル講師を招聘し共同セミナーを開催した。さらに、オクスフォード大学移民政策社会センターのビアオ・シャン研究員を招聘し、中国における出稼ぎ労働斡旋業者の活動と日本の入国管理政策の関係についての研究会を行った。
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Research Products
(37 results)