Research Abstract |
『リグヴェーダ』ドイツ語全訳計画の中, 研究代表者担当分の研究についての助成2年度目であった。計画通り, リグヴェーダ第IV巻の翻訳, 訳注の原稿を仕上げた。 この過程で, 文法, 神話, 実生活に亘る有意義な新知見が得られ, 発表済み(ドイツ語論文2, 日本語論文1, 研究報告書への寄稿2, やや一般的な紹介を主とする寄稿2), または, 次年度発表予定である(国際サンスクリット学会, 印欧語学会, グラースマン200年記念学会, 後2者はドイツで開催)。 当初, 研究代表者の成果を含む第2巻(リグヴェーダIII, IV, V巻)は年度中に出版される予定であったが, 一担当者の病気による交代(第V巻 : DoyamaからScarlataへ), 共同編集者担当分の進捗状況(第III巻), 出版社の事情などから, 出版自体は遅れ, 今秋になる見込みである。 初年度(2007年度)の計画は達成できたものの, 担当者全員にとって過剰な負担であったことを認めざるを得ず, 2008年度には, 研究代表者も入院, 手術を経験し, 当初予定した「旅費」は使うことができなかった。そのかわり, コンピュータ, モニター, 周辺機器, ソフトウェアを更新し, 仕事の効率を上げることができた(→物品費)。印欧語研究, 考古学関係を中心に, 30点弱の図書を購入した(→物品費)。常時, 博士課程修了者2名に, 事務, 調査, 入力, 校正などに亘って助力を得た(→謝金)。研究計画は順調に進んでいると言える。次年度に期するところ, さらに大である。
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