2008 Fiscal Year Annual Research Report
中国印度宗教史とくに仏教史における書物の流通伝播と人物移動の地域特性
Project/Area Number |
19320010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
船山 徹 Kyoto University, 人文科学研究所, 准教授 (70209154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 穣 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (60201935)
麥谷 邦夫 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (90114678)
古勝 隆一 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (40303903)
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Keywords | 仏教学 / 中国哲学 / 宗教文献 |
Research Abstract |
研究二年目として本年は以下の研究を行った。 (1)6世紀の真諦の事跡の研究 前年度に引き続き、真諦に関する研究会を定期的に開催し、真諦関連文献に関する訳注を作成しながら、問題点と意義を全員で具体的に検討した。連携研究者として中西啓子、室寺義仁、吉村誠氏にも研究会における研究協力を依頼した。また真諦の思想の専門家である、ニュージーランドのヴィクトリア大学ウェリントン校の宗教学科講師マイケル・ラディッチ博士を招待し、真諦三蔵の思想とその書物の継承過程における中国化の問題を主題とする講演討論会を開催した。 (2)宗教情報伝達ルートの研究の継続 『高僧伝』を主な資料として僧侶の地理的移動に関するデータ分析とコンピュータ入力作業を行った(継続中)。カシュミール地方とアフガニスタンの緊密な関係に関する研究を歴史文献に基づいて行った。またウィーン大学のエリカ・フォルテ博士を招待し、コータンを中心とする内陸アジア考古学に基づく宗教情報の発表を依頼し研究会を行った。 (3)公開講演会の開催 カナダのブリティッシュ・コロンビア大学アジア学講座のジンホア・チェン准教授を招待し、六朝時代の僧であるブッダバドラの移動に関する公開講演会を開催した。 (4)インド仏教の地域特性の調査 インド・パーラ朝におけるナーランダー大寺院を視点として、8世紀のナーランダーが他の地域とを比較する研究を行い、学会発表を行った。 (5)三教交渉から見た書物の普及の考察 書物の成立と普及に関して、六世紀以降の東アジアで絶大な影響を有した『梵網経』の初期のテキストに二つの異なるバージョンがあったことを指摘し、それぞれの特徴を検討する研究を行い、学会にて発表した。江南における宗教文献成立史の問題を道教を中心に研究した。また書物の基礎である文献学的研究として清代考証学の伝統に関する研究を行った。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Nezak in Chinese Sources?2008
Author(s)
Minoru Inaba
Organizer
Iranian Huns and Western Turks : Archaeology-History-Art History-Nuiismatics
Place of Presentation
Kusthistorisches Museum, Vienna
Year and Date
2008-11-18
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