2010 Fiscal Year Annual Research Report
中国印度宗教史とくに仏教史における書物の流通伝播と人物移動の地域特性
Project/Area Number |
19320010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
船山 徹 京都大学, 人文冬学研究所, 教授 (70209154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 穣 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (60201935)
麥谷 邦夫 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (90114678)
古勝 隆一 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (40303903)
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Keywords | 仏教学 / 中国哲学 / 宗教文献 |
Research Abstract |
(1)6世紀の真諦の事跡研究中国江南の人物と書物の動きに関する事例研究として、真諦の行状と思想に関する研究会を開催し、全員が参加した。関連の総括的発表を年度末にカナダバンクーバーで船山が行った。 (2)宗教情報伝達ルートの研究船山は、インド各地の特性研究として、地域区分、仏教関連の主要な地名である中天竺、ガンダーラ、カシュミール、南インド、ヴァラビー等のそれぞれの地域特性と関連を検討した。インドからチベットへの伝播ルートとして、吉隆(キロン)の重要性に焦点を当てた。インドから中国への移動経路として、河南道と西涼州に注目し、現時点で分かる事柄をまとめた。『高僧伝』他の資料を用いて、中国内の地域特性の基本をまとめた。石刻経典の文献学的意義に関する発表と、菩薩階位説に関する仏教と道教の交渉についての発表をハイデルベルク大学とプリンストン大学で行った。稲葉は、アフガニスタン、カシュミール、チベットの間の歴史宗教学的考察に関する発表をライデン大学とウィーン大学において行った。古勝は、隋代とその直前の儒学の学派的広がりと地域の関係について山東省の重要性に着目し、関連の論文および発表を行った。麥谷は、南北朝時代に国境を越えて移動した仏教僧曇鸞に着目し、道教との関係を考察する論文を発表した。 (3)海外研究協力者との連携ヘルムート・クラッサー博士(オーストリア学術アカデミーアジア学研究所所長)を招聘し、6-7世紀の南インドにおける仏教諸学派とミーマーンサー学派との交渉に関する公開講演会を行った。また、ジョナサン・シルク教授(ライデン大学)を招聘し、初期インド大乗経典の成立問題に関する公開講演会を行った。 (4)成果報告書の出版以上の成果の詳細として、6本の日本語論文と7本の英語論文を収める報告書として『中国印度宗教史とくに仏教史における書物の流通伝播と人物移動の地域特性』を年度末の3月に印刷し、成果を公表した。
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Research Products
(22 results)