2007 Fiscal Year Annual Research Report
ポタラ宮所蔵スティラマティの倶舎論注釈書『真実義』の新出梵文写本研究
Project/Area Number |
19320011
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
小谷 信千代 Otani University, 文学部, 教授 (40141494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本庄 良文 佛教大学, 非常勤講師 (00115932)
福田 琢 同朋大学, 文学部, 准教授 (20278261)
箕浦 暁雄 大谷大学, 文学部, 講師 (60351251)
松田 和信 佛教大学, 文学部, 教授 (90268128)
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Keywords | 仏教学 / 仏教写本 / インド仏教 / サンスクリット / アビダルマ / スティラマティ / 倶舎論実義疏 |
Research Abstract |
チベットのポタラ宮に所蔵されており,近年その存在が明らかとなったスティラマティの倶舎論注釈書『真実義』第1章「界品」の第2偈から第6偈のサンスクリット写本を解読し,ローマ字転写テクスト(Diplomatic Edition)を作成した。同時に,『倶舎論』本論,ヤショーミトラの『倶舎論明瞭義』,サンガバドラの『順正理論』との対応箇所をも注記した試訳ノートを作成し得た。チベット語訳は,コロフォンに示される通りその翻訳文に不十分な点があり,サンスクリット文がチベット文字で音写されている箇所も多数ある。なお多くの問題を残してはいるものの,これまでチベット語訳で解読し得なかったこの難解なスティラマティの注釈文を,サンスクリット写本の解読によって明確にし得た点は,最も重要な研究成果である。 本研究では,『倶舎論』本論と諸注釈書の対照ノート作成やその電子化を,『真実義』サンスクリット写本解読のために必要不可欠な基礎研究と位置付け並行して取り組んできた。その基礎整理作業の一環として,スティラマティの倶舎論注釈書『真実義』チベット語訳の電子テクストを準備した。また,プールナヴァルダナの『倶舎注疏随相』チベット語訳(北京版)に,デルゲ版対応箇所や『倶舎論』本論の対応箇所を明記したノートを作成した。そして,本庄良文(研究分担者)は,スティラマティの『真実義』チベット語訳(北京版)に,デルゲ版対応箇所や『倶舎論』本論の対応箇所を明記したノートを作成し,それを電子化(pdfファイル形式)して,ひろく研究者に公表した。
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