2009 Fiscal Year Annual Research Report
「供養の文化」の比較研究をとおして見る「死」の表象の形成過程とその現代的変容
Project/Area Number |
19320016
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
池上 良正 Komazawa University, 総合教育研究部, 教授 (60122925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 治代 東洋大学, ライフデザイン学部, 准教授 (10408974)
岡田 真美子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (40185450)
佐藤 弘夫 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30125570)
兵藤 裕己 学習院大学, 文学部, 教授 (90173202)
松尾 剛次 山形大学, 人文学部, 教授 (30143077)
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Keywords | 供養 / 死 / 葬送 / 祭祀 / 環境 / 墓 / 供犠 / 東アジア |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本における民俗宗教的な死者儀礼をささえる霊魂観や死後イメージの特徴を「供養の文化」という文化類型のもとに把握し、その歴史的・宗教思想的な形成過程を東アジア世界との比較をとおして解明すること、さらに、今後の日本社会の動向においてそれがどのような意義と問題点をもつものであるかを、とりわけ現在大きく変容しつつある「死」の表象の行方を問うことを通じて、学際的・領域横断的に明らかにすることであった。前年度の代表者、中村生雄の体調不良により、最終年度にあたる21年度は池上良正を代表者として、所期の成果をあげることができた。 本年度は各メンバーが、それぞれの課題に関する「まとめ」や、国内外での補充調査を進めるとともに、全メンバーによる共同調査および共同討議、共同の成果報告を行なった。まず6月には、伊勢市の内宮・外宮周辺地域において、中世の死者供養施設、および近現代の神葬祭関連施設の共同調査を行なった。さらに9月には、京都大学で開催された日本宗教学会において、「死者供養文化の深層」というパネル発表で、本科研の成果を報告した。代表者の池上がパネル責任者と司会をつとめ、分担者の佐藤が古代の日本列島における死者供養文化の淵源について、松尾が中世における石塔の思想史について、岡田が近代の実験動物供養の歴史的展開について、井上が現代韓国における仏教的な死者供養儀礼の実態について研究成果を発表し、フロアを交えて質疑応答を行なった。 また、東京23区内における動物供養碑の基礎資料を収集した。これは近くデータベースとしてインターネットなどで公表の予定である。
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Research Products
(5 results)