2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19320031
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
丹尾 安典 Waseda University, 文学学術院, 教授 (00129058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷田 博幸 滋賀大学, 教育学部, 教授 (10179848)
岩切 信一郎 東京文化短期大学, 生活学科, 教授 (50289922)
青木 茂 文星芸術大学, 美術学部, 教授 (40159281)
安松 みゆき 別府大学, 文学部, 教授 (40331095)
森 仁史 金沢美術工芸大学, 大学院, 教授 (80552992)
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Keywords | 美術と南方 / 台湾 / 沖縄 / 脱文明 / エキゾチズム |
Research Abstract |
本研究は日本の近代文化における南方概念の形成の過程をその造形表現において解析し、南方が近代日本の造型文化の展開にどのような作用を及ぼしたのかを探り、新たな視点から近代日本が生んだ視覚イメージの根源を問い直すための基礎的な研究である。本研究では、日本の近代文化の特質を視覚芸術に焦点をあてながら、日本人にとって「南方」とはいかなる存在であったのかを、資料データにもとづいて総合的に検証し、客観的な成果に南方イメージ形成の歴史を俯瞰しつつ、個別の具体的作例をふくめながら、検討をこころみた。この研究の基本となる南方関係のデータベース構築については、昨年度までに主要な美術雑誌(『美術新報』、『みづゑ』、『アトリエ』ほか)及び新聞記事の明治後半から昭和初期の掲載分の資料収集についてかなりの進捗をみたが、今年度は引き続き、残された範囲のデータ採集とデータベースソフトによる修正を行い、DVDの編集にとりかかり、検索や画面表示を簡便にし、効率的な画像・文献資料の利用を可能にした。 今年度開催した研究会は、以下である。2009年6月27日(土)〔會津八-記念博物館および早稲田大学文学部31号館310教室〕:「戦争画の相貌-花岡萬舟連作-」展見学と解説(丹尾安典)/増野恵子「明治初期の地誌に見られる南方イメージー『輿地誌略』を中心に-」。2009年10月31日(土)〔早稲田大学文学部31号館310教室〕:渡邊俊夫「日本風景としての台湾と南洋論:植民地主義とナショナル・アイデンティティー」。2009年11月28日(土)〔早稲田大学文学学術院31号館310教室〕:安松みゆき「表現主義の画家マックス・ペヒシュタインにとっての南洋と日本」。 最終年度に刊行される本研究の報告書も、期日どおり刊行された。
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