2007 Fiscal Year Annual Research Report
中世宗教テクスト体系の復原的研究-真福寺聖教典籍の再構築
Project/Area Number |
19320035
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿部 泰郎 Nagoya University, 文学研究科, 教授 (60193009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 伸道 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (70135276)
山崎 誠 国文学研究資料館, 文学資源研究系, 教授 (70094696)
福島 金治 愛知学院大学, 文学部, 教授 (70319177)
牧野 淳司 明治大学, 文学部, 講師 (10453961)
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Keywords | 中世寺院 / 聖教 / 真福寺 / 断簡 / デジタル画像書誌データベース / 守覚 / 神祇書 / 宗教テクスト学 |
Research Abstract |
真福寺大須文庫の聖教における蔵書体系を、宗教テクスト学の視点から復原する試みを行った。 一、従来未整理であった聖教断簡類を整理し、そのすべてをデータ化して、将来の悉皆調査の基盤づくりのために、「聖教断簡データベース」を設計し、そのための作業手順を含むシステムを構築した。(株)堀内カラーの協力を得て、これをデジタル画像データベースとして、試行版を作成し、本年度内に調査に供用すべき段階に至った。それを用いて、年度内に百十号の断簡のうち、百点を整理し、書誌データを採訪、撮影とデータ入力を終えて、本格的な運用に備えることとなった。 二、聖教断簡中より発見された栄西の著作聖教と、「達磨宗聖教」(仮称)について、調査の過程で出現した新たな断簡をあわせて、末木文士教授と連携研究者による調査チームに提供し、その解読を行った。三回の研究会により、その作業が本格的に進展した。 三、聖教中の第44上合の「野決具書」を『野決目録』により復原再構成を行い、そのなかに多くの神祇書が含まれていることを見いだし、これをコロンビア大学の「中世神道」国際研究集会(07年4月)において報告し、その成果を論文化した。 四、研究集会「<西行>を考える」において、真言行者としての西行を含む、多面的な西行像を議論した(07年12月)。 五、関連する聖教調査として、仁和寺・勧修寺・高野山・金沢文庫等の聖教調査および資料閲覧を行った。
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