2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19320036
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大谷 雅夫 Kyoto University, 文学研究科, 教授 (80152172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川合 康三 京都大学, 文学研究科, 教授 (40108965)
宇佐美 文理 京都大学, 文学研究科, 准教授 (70232808)
大槻 信 京都大学, 文学研究科, 准教授 (60291994)
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Keywords | 和漢聯句 / 連歌 / 俳諧 / 中世文学 / 聯句 |
Research Abstract |
平成二十年度は前年度に引き続き、四月より九月まで『至徳三年(一三八六)秋、和漢聯句百韻』の会読を毎月行った。これは二条良基、義堂、絶海らの当時の文人たちを中心とした聯句であり、和漢聯句最初期における記念碑的作品である。もちろん今日まで注釈がなされてこなかったものであり、その読解には日本文学中国文学双方の知識が必要とされるため困難を極めるが、和漢聯句を専門とする和光大学の深沢眞二教授や中国の聯句を専門とする大阪市立大学の齋藤茂教授など、外部からも多くの研究者に参加していただいて活発な議論を重ね、精度の高い注釈を完成することができた。七月までに六十九句より百句の注釈を行い、八、九月に全体の内容を再検討する輪読会を持ち、十月より五ヶ月程度を原稿全体の調整、校正に宛て、三月に『良基・絶海・義満等一座和漢聯句訳注』として臨川書店から刊行した。和漢聯句の揺藍期とも言うべき南北朝期の作品については、これまで本格的な注釈が施された例はなく、本書は研究史的に高い価値を持つものである。 また、和漢聯句の会読と平行して、各図書館に散在している和漢聯句を収集し翻刻する作業も進めていった。資料面での研究基盤整備を意図したものであり、平成二十年三月に臨川書店より出版された『室町前期和漢聯句作品集成』の続編として刊行を計画するものである。同書に収録を予定する作品は大半が未翻刻、未紹介のものであり、その資料的価値はきわめて高いものである。
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Research Products
(1 results)