2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19320039
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
KRISIEVA T.I International Christian University, 教養学部, 教授 (80365519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小峯 和明 立教大学, 文学部, 教授 (70127827)
STEELE William 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (00146747)
小島 康敬 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (70101590)
古藤 友子 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (90195751)
ROBINSON Kenneth 国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (10306904)
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Keywords | 日本文学 / パロディ理論 / 日本思想 / 詩的言語 / 社会的・政治的パロディ / 絵本・絵巻 / 日本的パロディ形式 / 比較文化研究 |
Research Abstract |
このフロジェクトは、科研としては一年目だったものの、メンバーたちがその二年前からスタートした研究でもあるので、主要な課題の一つは、ここまでの結果を纏めた上、新しい課題を特定し、その実現に取り組むことであった。たたき台となったのは、科研の出発点に合わせて、ICUアジア文化研究所の学報(ISSNO9l6-6734)の別冊として出版した「パロディと日本文化」という論文集である。 具体的な課題と実績は次の通りである。1.見立て、もじり、もどきなど日本伝統的なパロディ形式、またパロディ理論に関する従来の研究状況を把握し、参考文献の調査を行い、基本文献(本、論文、映像資料など)を購入して、その分析に取り組んだこと;2.パロディ理論を分析し、西洋から発信し、主として西洋の文化的実践に基づいているその理論の限界を問うて、日本的パロディ研究への応用性について検討したこと;3.狂言やマンガなど、現代、最も盛んであるパロディジャンルについて、芝居観察や発表会などを計画し、議論を行ったこと;4.各メンバーが属する学会などで、パロディに関する発表・報告などを行い、プロジェクト外の研究者たちの意見を求めた。最も重要な試みは、小峯とクリステワが計画した、ICUで開催された中世文学会春季大会(2007/6)の「パロディ」のシンポジウムである;5.各メンバーがそれぞれの分野におけるパロディ資料の調査(小峯とクリステワ:奈良絵本・絵巻;スティール:明治時代の風刺画、など)を行い、資料収集、問題点の把握、研究方針や課題の特定をしたこと;6.教育の場でも研究結果を生かし、関連する授業を行ったこと(ICUでの小峯による「奈良絵本・絵巻」、クリステワによる『堤中納言』、など); 二年目の主要な課題である、海外での成果発表に向かって、海外の研究者との連絡を取り、シンポジウムの準備に取り組んだことである。
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Research Products
(29 results)