2010 Fiscal Year Annual Research Report
語り手と女:ジェンダーを巡るイランの文学的言説の研究
Project/Area Number |
19320051
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤元 優子 大阪大学, 世界言語研究センター, 教授 (40152590)
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Keywords | 外国文学 / イラン / ジェンダー |
Research Abstract |
平成22年度は、本研究の最終年度であるため、以下のような纏めの活動を行った。 1. イラン・アルメニアにおける現地調査と資料収集:平成22年9月には、藤元優子が研究協力者ファーテメ・バーバーザーデと共にテヘランで女性の願掛け儀礼に関する調査を行った。その後、藤元はアルメニアでアルメニア系イラン人作家と意見交換を行った。平成23年2月には、研究協力者・中村菜穂が、同年3月には連携研究者カームヤール・アーベディーシャールがテヘランに出張し、現代文学に関する資料収集および現地研究者との意見交換を行った。 2. 研究会の実施:平成22年6月に、東京外国語大学において研究会を行い、連携研究者のカームヤール・アーベディーシャールと鈴木珠里が、現代女性詩人フォルーグ・ファッロフザードに関する研究発表を行った。 3. 国際ワークショップの実施:平成22年11月26, 27両日、大阪大学にて研究の総まとめとなる国際ワークショップを開催した。研究代表者、連携研究者、研究協力者のほか、外国から4名の研究者も招聘して、ペルシア語および英語で発表・討論を行った。参加者は、日本人、イラン人、スイス人、ハンガリー人と多彩で、単にイランの純文学だけでなく、女性の祭、昔話、アマゾン伝説、女性によるイラン・イラク戦争回顧録など、本研究の目指した多様な文学的言説を対象とした研究が並んだ。 4. 研究報告書の出版:本研究の4年間の活動を纏めた報告書を作成した。研究期間内に招聘した詩人・作家・研究者の講演と質疑のすべてと、国際ワークショップの発表原稿とその後の討論をそのまま収録した3カ国語が混在するユニークな記録となっている。この報告書を一次資料とした今後の継続的研究を期して作成された。
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Research Products
(4 results)