2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19320060
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金水 敏 Osaka University, 文学研究科, 教授 (70153260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 勝己 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (90206152)
山口 治彦 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (90220269)
定延 利之 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (50235305)
鄭 惠先 長崎外国語大学, 外国語学部, 准教授 (40369856)
松井 智子 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (20296792)
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Keywords | 音声学 / 言語学 / 言語習得 / 社会心理学 / 役割語 / ステレオタイプ / ポピュラーカルチャー / ジェンダー |
Research Abstract |
「役割語」とは、話者の人物像とステレオタイプ的な連合関係を持つスピーチスタイルのことである。メンバーは7月1日、9月22日、12月15日に会合を行い、日本語史、音声学、マンガ研究、言語習得等の立場からそれぞれの意見を交換した。研究代表者の金水は、4月21日に東京大学で、5月4日にHarvard大学で、9月22日に分担者の吉村和真と京都国際マンガミュージアムで、12月5日には長崎純心大学で、また2008年3月2日にはサンフランシスコ州立大学で役割語についての講演を行い、現地の研究者等と意見の交換を行った。金水は特に、中国人の造形におけるピジンの表現の歴史的形成過程の研究を進め、日本で発生したピジンが、日清戦争以後、日本人の大陸への進出とともに大陸その他に持ち込まれて現地の言語と新たなピジンの形成を促したこと、戦後は「三国人」問題を背景に、中国人に対する警戒心がピジンによる表現と結びついていたこと、1980年代を境に、ピジンを使用する中国人像が成人男性から少女へとシフトしていくこと等を明らかにした。吉村は、マンガ作品における差別とそれを克服しようとする精神のダイナミズムについて共著による著作を著した。分担者の勅使河原は、声質とキャラクターの結びつきについて8月6日にザールブリュッケンで発表を行った。9月26日には、代表者・分担者の内、金水、山口、吉村、鄭、定延が執筆した論文集『役割語研究の地平』が出版された。松井、金水、吉村が担当する役割語の習得実験に向けては、基礎資料としてアニメ作品の文字起こしと用語リストの作成を行った。
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Research Products
(22 results)