2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19320060
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金水 敏 Osaka University, 文学研究科, 教授 (70153260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定延 利之 神戸大学, 国際文化研究科, 教授 (50235305)
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Keywords | 役割語 / キャラクター / ステレオタイプ / ポピュラーカルチャー / 日本語教育 / 心理言語学 / 人文学教育 / 社会的グループ |
Research Abstract |
金水はキャラクターと役割語の関係について整理を進めた。キャラクターは、属性を基盤とした人格の表現として捉えられる。キャラクターを規定する属性は、社会的グループ、性格・行動・コミュニケーション特性その他からなるが、役割語と関連が深いのは社会的グループである。社会的グループは、性別、国籍・人種、階層・職業、年齢・世代、居住地域等で分類される。これは、同一の社会的グループがしばしば共同体を形成し、言語変種すなわち社会方言を形成しやすい傾向にあるからである。このような社会方言が言語資源となって、役割語が形成されることが多い。なお、性格的な変異も、いわゆる"ツンデレ"のようにある種の言語形式と緊密に結びつくことがあるが、極めて限定的な現象であり、教護の役割語とは性質が違う。その他、連携研究者の鄭惠先(北海道大学)は、韓国人の翻訳のクラスで役割語を導入する方法について研究、役割語の適切な導入が教育の質を高めることを示した。同じく連携研究者の岡崎(就実大学)は、人文系学部生の教育に役割語を導入することの効果と限界について示した。幼児の役割語の習得については、金水と連携研究者の松井智子が打ち合わせを行い、基本的な実験デザインについて検討した。これらの問題は、平成22年2月20日に韓国・江原大学で行われたシンポジウムで話し合われ、韓国の研究者戸と意見交換を行った。
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Research Products
(11 results)