2009 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア角筆文献の発掘とその交流の調査研究―醍醐寺蔵宋版一切経の調査を主に―
Project/Area Number |
19320066
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小林 芳規 Hiroshima University, 大学院・文学研究科, 名誉教授 (10033474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 勇 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (50215711)
沼本 克明 安田女子大学, 文学部, 教授 (40033500)
月本 雅幸 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (60143137)
鈴木 恵 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (60163010)
原 卓志 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (00173063)
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Keywords | 東アジア / 角筆 / 朝鮮半島 / 宋版 / 一切経 / 醍醐寺 / 角筆文献 / 新羅華厳経 |
Research Abstract |
醍醐寺蔵宋版一切経六千余帖の悉皆調査により、角筆の書入れを調べ、中国大陸・朝鮮半島・日本の古訓点の比較を行い、古代東アジアにおける言語文化の交流と影響関係を考察することを目的とする本研究の三年計画の第三年次として、次の調査・作業等を実施して、以下のような成果を得た。 1. 醍醐寺蔵宋版一切経の第四回角筆調査を、代表者と分担者・連携研究者が平成21年5月30日から6月5日までの7日間、醍醐寺において行い、第三百四十函より第五百五十函、及び第百九十七函(ドイツ出陳から戻ったもの)と第三百三十四函(前回未了分)を併せた計213函、総計2124帖を調査し、1556帖に角筆の書入れを見出した。併行して、第一函より第二百七函までと、第五百七十五函より第六百六函、第五百五十四函の計240函について、各帖の巻首・巻末の写真撮影を行った。 第五回角筆調査を、代表者と分担者・連携研究者が、平成21年8月17日より8月22日までの6日間、醍醐寺において行い、第五百五十一函より第六百六函まで、並びに開元寺版大般若経の第一函より第六十函までの計117函、総計1150帖を調査し、807帖に角筆の書入れを見出した。併行して、第二百八函より第三百二十函まで計113函について、各帖の巻首・巻末の写真撮影を行った。 以上の3カ年、全5回にわたる調査で第1次調査を予定通り終え、現存函数が604函、全6104帖であることを確認すると共に、4453帖に角筆の書入れが存することが判明した。 2. 中国大陸の角筆加点と比較考察するために、新羅写経の角筆加点の調査を、奈良東大寺において、代表者と分担者が、平成21年5月23日と、8月3日から5日までの3日間、写真撮影と読解を行った。 3. 醍醐寺蔵宋版一切経の角筆加点の符号、特に、ヲコト点様の「文法機能点」の読解作業を、全巻撮影した『菩薩?子経」を資料として、広島大学において、代表者・分担者・連携研究者の有志が、月1回の割合で10月から行い、角筆精査による第2次調査に備えている。
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Research Products
(12 results)