2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19320087
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
砂岡 和子 Waseda University, 政治経済学術院, 教授 (70257286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保坂 敏子 日本大学, 総合科学研究所, 准教授 (00409137)
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Keywords | ミス・コミュニケーション / 遠隔異文化交流 / 日中口語コーパス / 自然言語処理 |
Research Abstract |
昨年度に続き、動画アノテーションツールELANを使用して、日本語・中国語会議の録画テキスト20本の書き起こし作業を完成し、ミス・コミュニケーション・コーパスの蓄積データを増した。うち数本には、時間情報やポーズ、Fillerなどの副言語的情報のラベリングを施した。 これらのコーパスに基づき、母語話者と非母語話者、第二外国語学習者の談話における、ポーズ、言いよどみ、応答詞、使用語彙と文型の比較、協調的学習方略について、定量的分析を行った。分析により、非母語環境下での第二外国語学習者は、ポーズやフィラー、語断片など、発話中の非言語要素の運用が母語話者に劣り、コミュニケーション達成度を上げるためには、応答詞などより言語的質量の高い内容に変換するスキルを磨く必要があることを検証した。成果を学会で発表し、他分野の関連研究の吸収に努め、使用言語に固有な特徴の抽出以外に、より一般性を持つ交流障害要因を自動的に検出でき、かつそれを可視化して閲覧・検索できるミス・コミュニケーション学習支援データベースの構築をデザインした。平行して平成20年度に試験的に分析した、日本語・中国語の独話講演や異なる場面での対話など、他の自然発話データとの分析比較も進め、ミス・コミュニケーションの障害要因の拡張を試みた。 本課題最終年以降、コーパスをインターネットで公開する準備作業として、本年は、収録ビデオの個人情報保護と版権処理や、学習プログラム用プラットフォームの構築にも力を注いだ。2009年3月現在、海外共同研究者の北京大学とVideo Corpus Platformの雛形を作成し、蓄積中のコーパスデータを管理し、ForumBuiltProcessesでは異文化交流障害の解決支援に役立つ動画シーンを、コメント付きで随時検索可能なシステムを公開予定である。
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Research Products
(22 results)