2008 Fiscal Year Annual Research Report
近世後期から近代初期に形成された知識人ネットワークに関する基礎研究
Project/Area Number |
19320110
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Research Institution | History Museum of Hokkaido |
Principal Investigator |
笹木 義友 History Museum of Hokkaido, 学芸部, 研究員 (50132832)
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Keywords | 日本近世史 / 幕末維新史 / 知識人社会 / 知識人ネットワーク / 情報 / 松浦武四郎 |
Research Abstract |
本研究課題は、尊王攘夷派の志士としての一面を持ちつつ、幕末維新期の北方政策に関与し、かつ江戸(東京)を主とする知識人社会に広範な人脈を築いたと考えられる松浦武四郎に焦点を当て、近世後期から近代初期に形成された知識人ネットワークの具体相とその特質を明らかにすることを目的としている。そのために、全国に所在が想定される武四郎関係資料の悉皆調査を、年度ごとに重点地域を決めて行い、関係資料のデータベース化を図ることが重要な課題となる。平成20年度は、主として中部地方を対象とした。主な調査内容は下記の通りである。 1、名古屋市蓬左文庫所蔵の、尾張藩士大道寺家の家臣水野正信関係資料に含まれる、「青窓紀聞」「蝦夷地割図」など、武四郎関係資料9件の調査・撮影を実施した。 2、西尾市岩瀬文庫所蔵の、武四郎関係を含む幕末維新期資料など72件の調査・複写を実施した。 3、神宮文庫所蔵の、伊勢神宮の神官足代弘訓・松田雪柯・世古延世関係資料に含まれる、武四郎関係資料11件の調査・複写を実施した。 4、石水博物館(津市)所蔵の、近世後期の津の豪商川喜多石水関係資料に含まれる、武四郎関係資料66件の調査・撮影を実施した。 5、茨城県立歴史館及び外務省外交資料館所蔵の、土浦藩の儒学者長島尉信関係資料に含まれる、武四郎関係資料10件の調査・撮影を実施した。 6、東京国立博物館所蔵の、武四郎自筆の幕末期政情に関する風説留1件(角田桜岳旧蔵)の調査・複写を実施した。角田は、現在の静岡県富士宮市に暮らした町人で、幕末期に江戸へ出ていた際に武四郎と交友を結んだと考えられる人物である。 7、武四郎の出身地である三重県松阪市にて、北海道開拓記念館と松浦武四郎記念館の主催で、研究代表者以下7名により、「武四郎研究の最前線」と題した成果報告会を実施した。
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Research Products
(4 results)