2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330006
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
葛西 康徳 Otsuma Women's University, 文学部, 教授 (80114437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 浩三 桐蔭横浜大学, 法学部, 教授 (10142671)
吉原 達也 広島大学, 社会科学研究科, 教授 (80127737)
朝治 啓三 関西大学, 文学部, 教授 (70151024)
西村 安博 同志社大学, 法学部, 教授 (90274414)
芹沢 悟 亜細亜大学, 法学部, 教授 (10163122)
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Keywords | 法廷弁論 / 古代ギリシア法 / ローマ法 / レトリック / 法廷演劇 / fairness / ソクラテスの弁明 / アテナイ法 |
Research Abstract |
第一に、平成19年6月メンバー全員による研究会を開催し以下の点を確認した。 1、本研究は最終年度に研究成果として古代ギリシア・ローマの法廷演劇を上演することを目的とする。 2、本年度は上演作品候補をギリシア、ローマから各数編選定することを目指す。 3、年度末に、オーストリアよりギリシア法のThuer教授、およびハンガリーよりローマ法のJakab教授の招聘計画があるので、その際本研究についての示唆を得る。 4、上演計画の遂行にあわせて、関連著作や論文の収集を行う。 第二に、平成20年3月、Gerhard Thuer教授,Eva Jakab教授が約20日間来日した。その際に、本研究のメンバーと共同研究を実施した。テーマは以下の通りである。 1、「法廷に立たされたソクラテス」をテーマとする研究会では、プラトンの作品『ソクラテスの弁明』におけるソクラテスの弁論を実際の弁論として解釈することの可能性と問題点について活発に意見を交換した。同時に、テュール教授がこの『ソクラテスの弁明』を実際にグラーツ大学で上演したDVDを全員で艦賞し、本研究において法廷演劇を上演する際の示唆を得た。 2、「ギリシア手続法にけるfairnessについて」の研究会では、通常ギリシアの法廷は民衆法廷における弁論家の自由なスピーチと多数決によって判決が下されるというイメージが流布しているが、テュール教授によれば、極めて周到に用意された様々な事前手続や証拠提出に関する規則の中で形式的に訴訟は遂行されている。この指摘は今後法廷弁論を上演する際に大変重要な示唆となった。 第三に、上演作品の候補として現時点では下記のものが挙がっている。 1、キケロ『ウェッレース弾劾』の一場面、または『カエキリーナ』 2、ヒュペレイデースの断片作品とメナドロスの作品を組み合わせたもの 3、『ソクラテスの弁明』 4、デモステネスとイサイオスの作品を組み合わせたもの
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Research Products
(5 results)