2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330006
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
葛西 康徳 Otsuma Women's University, 文学部, 教授 (80114437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉原 達也 広島大学, 社会科学研究科, 教授 (80127737)
西村 安博 同志社大学, 法学部, 教授 (90274414)
松本 英実 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (50303102)
朝治 啓三 関西大学, 文学部, 教授 (70151024)
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Keywords | 法廷弁論 / 古代ギリシア法 / ローマ法 / レトリック / 法廷演劇 / 裁判手続 / 証拠法 / 誓約 |
Research Abstract |
本基盤研究の目的は、古代ギリシア・ローマ世界における種々な「裁判過程」を現存資料に基づいて法制史的観点から総合的に分析し、さらに著名な事件を実際のパフォーマンスによって再現することを通じて、ギリシア・ローマ法を「実践的」に再構成することである。平成20年度は、19年度末に日本学術振興会招聘短期プログラムで来日されたグラーツ大学教授、現代におけるギリシア法研究の第一人者、ゲーアハルト・チュール先生が持参された「ソクラテスの弁明」の法廷演劇を参考にして、具体的にギリシアおよびローマの訴訟事件を選定する作業に入った。その結果、ギリシアでは、デモステネス43番弁論「マカルタトス」とイサイオス第11番弁論「ハグニアス」を取り上げ、ローマではキケロー「カエキーナ」を選定することに決定した。前者は、古代の弁論の中では、非常に珍しく、原告・被告双方の弁論が残存し、再構成に便利である。但し、事実関係の確定は非常に困難である。後者は、同様に事実関係の確定は困難であるに加えて、訴訟手続上の問題、いわゆる「特示命令」というローマ法上の難問が横たわっている。 以上の点を研究分担者・連携研究者で合意した上で、平成20年末には、合同研究会を実施した。その結果、法廷演劇上演のための、第一段階であるシナリオ作成に関して、分担関係を明確にした。そして、ギリシアに関しては、事実関係の確定を巡る原告被告両当事者の主張を、資料に依拠しつつ、しかも仮説を加えて、スピーチ原稿として試作することを開始した。一方、ローロについては、まず、訴訟手続の確定をめぐる当事者の主張から再構成することに着手した。
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Research Products
(14 results)