2009 Fiscal Year Annual Research Report
マルクス抜粋ノートの編集とその活用による『資本論』形成史研究の新段階の開拓
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19330042
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
平子 友長 Hitotsubashi University, 大学院・社会学研究科, 教授 (50126364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹永 進 大東文化大学, 経済学部, 教授 (00119538)
森下 宏美 北海学園大学, 経済学部, 教授 (90191022)
窪 俊一 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (50161659)
赤間 道夫 愛媛大学, 法文学部, 教授 (30175781)
鳥居 伸好 中央大学, 経済学部, 教授 (70217587)
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Keywords | マルクス / エンゲルス / Marx-Engels-Gesamtausgabe(MEGA) / 資本論 / ゲオルク・マウラー / ヘルマン・マーロン / フランツ・フルーベク / manied capital |
Research Abstract |
【研究成果報告】三年間の共同研究を踏まえて研究成果報告書『マルクス抜萃ノートの編集とその活用による『資本論』形成史研究の新段階の開拓』を2010年3月に刊行した。これは、1860年代におけるマルクスの抜萃ノートに関する世界で初めての本格的な研究であり、その学術的意義はきわめて大きい。本報告書において1967年『資本論』第1巻が執筆される際に、経済学草稿と抜粋ノートがどのように活用されたのかに関する詳細なデータが初めて明らかにされた。また『資本論』刊行の半年後からマルクスはマウラーの「古ゲルマンのマルク共同体」に関する歴史研究を開始したが、それはその13年後1881年に書かれた「ザスーリッチへの手紙草稿」に直結する内容を含んでおり、『資本論』が前提としていた歴史把握を根本的に見直す作業が1868年から開始されたことが初めて明らかにされた。本報告には、ベルリン・ブランデンブルク科学アカデミーで長年ドイツ語版マルクス・エンゲルス全集(以下MEGA)の編集に取り組んできた4名の海外研究協力者による5本(4本はドイツ語)の論文が掲載され、またドイツ語目次によってその概要を推測できるようにしてある。本研究成果報告を英語ないしドイツ語で公刊してほしいという希望がすでに海外の複数の研究者から寄せられている。【MEGAIV/18の編集】3年間の編集作業によってTextに該当する部分の日本人編集者が担当すべき作業は基本的に完了し、ドイツ人校閲者の下で第2段階の編集作業が行われている。2010年以降は、Apparatの作成に本格的に取りかかっている。【研究発信】2009年11月、ベルリンで開催された国際会議『MEGAによるマルクスの新読解』に研究代表者は招聘され、「マルクスのマウラー研究の意義」(ドイツ語)について報告し、IV/18によって後期マルクス研究の新地平が切り開かれることを海外の研究者に向けて発信した。
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Research Products
(30 results)