2009 Fiscal Year Annual Research Report
介護サービス市場における情報の非対称性の緩和に関する研究
Project/Area Number |
19330051
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岸田 研作 Okayama University, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (30346407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷垣 靜子 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (80263143)
藤井 大児 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (50346409)
張 星源 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 教授 (10304081)
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Keywords | 介護保険 / 情報の非対称性 / ケアマネジャー |
Research Abstract |
措置制度と異なり、介護保険は利用者がサービスを選択する。しかし、サービスを選ぶ情報が利用者に充分提供されているとはいえない。そのため、政府は「介護サービスの情報公表制度」を構築したが、ほとんど利用されていないことがわかっている。利用者の大半は、担当のケアマネジャーから介護事業者の情報を得ているといわれているが、その実態については、これまでほとんど分かっていなかった。そこで、本研究では、ケアマネジャーによる利用者に対する介護サービス事業者情報の提供の実態を調査した。調査対象となったのは、全国の政令指定都市に所属する約5,000の居宅介護支援事業所に所属するケママネジャーである。政令指定都市に対象を絞った理由は、回帰分析で観測できない地域特性をダミー変数として処理すること、過疎地では事業者数が少なく選択の余地が無いことによる。調査結果は、訪問介護サービスの場合、利用者のニーズを聞いたケアマネジャーが1つの事業所を紹介するケースが多かった。通所介護事業所の場合も複数の事業所を紹介し、利用者に選択してもらうというケースは必ずしも多くなかった。ケアマネジャーが、事業者に関する情報を充分保有し、利用者の忠実な代理人として働いている場合、以上のようなケースでも問題は無いと考えられ,る。しかし、多くの居宅介護支援事業所は、単独では赤字であり、併設の事業所のサービスを薦める傾向があるといわれている。そのような場合、社会福祉基礎構造改革の目的である、競争と選択によるサービスの質の向上とサービス提供の効率化は達成することはできない。
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Research Products
(1 results)