2009 Fiscal Year Annual Research Report
育児支援策が企業経営に及ぼす影響に関する総合的研究
Project/Area Number |
19330054
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
川口 章 Doshisha University, 政策学部, 教授 (50257903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 安信 同志社大学, 社会学部, 教授 (90135640)
脇坂 明 学習院大学, 経済学部, 教授 (90158600)
大竹 文雄 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (50176913)
藤本 哲史 同志社大学, 総合政策科学研究科, 教授 (50278313)
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Keywords | 経済政策 / 経営学 |
Research Abstract |
2009年度の主要な活動は、(1)2008年度に実施した個人アンケート調査を利用した計量分析、(2)第2回企業アンケート調査、及び第2回個人アンケート調査の実施、(3)コンファレンスの開催である。以下、それぞれの活動を説明する。 2008年度に実施した個人アンケートの分析の結果、育児休業を利用した男性労働者や、育児休業利用者が同じ職場にいる男性労働者は、仕事へのやりがいや逹成感を強く感じていることが分かった。これは、育児休業を取りやすい職場では、労働者の労働意欲が高いことを意味している。研究結果は『学習院大学経済論集』に掲載されている。 2009年9月6日から11月6日にかけて、2007度にく続「第2回育児支援と企業経営にかかわる調査」を行った。大阪商工会議所の会員企業を中心とする3166社を対象に調査票を郵送し、229社から回答を得た。回収率は12.9%だった。育児支援をはじめとするワーク・ライフ・バランス施策を熱心に推進している企業ほど女性が活躍し,また企業業績も良好である傾向が見られた。詳細については現在分析中である。 また、2009年10月5日から10月7日にかけて、「第2回ライフスタイルとお仕事に関するアンケート」を、インターネットを利用して行った。調査対象はgooリサーチに登録されている20歳代から40歳代の仕事に就いている男女1516人である。正社員と非正規労働者の間には、賃金だけでなく、福利厚生や教育訓練機会などにおいて大きな格差があることが明らかになった。詳細については現在分析中である。 さらに2009年9月14日から15日にかけて、兵庫県立淡路夢舞台国際会議場において、コンファレンスを開催し、それまでの研究成果を発表するとともに、科研メンバー以外の労働経済学者との情報交換を行った。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article]2010
Author(s)
川口章
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Journal Title
「バブル景気以降における男女間賃金格差の実態とその研究動向」『労働市場と所得分配』(樋口美雄編)(慶応大学出版会)
Pages: 369-398
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[Journal Article]2009
Author(s)
川口章
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Journal Title
「女性のライフサイクルからみた労働と社会保障のあり方」『社会保障と経済1企業と労働』(宮島洋・西村周三・京極高宣編)(東京大学出版会)
Pages: 143-162
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[Journal Article]2009
Author(s)
川口章
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Journal Title
Equal Employment Opportunity, Work-Life Balance and Corporate Performance in Japan : An Analysis based on Matched Employer-Manager-Employee Data, Corbett, Laggards and Leaders in Labour Market Reform(J.Daly, A., Matsushige, H.and Tayloer D.(eds.))(Routledge)
Pages: 240-247
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[Journal Article]2009
Author(s)
藤本哲史
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Journal Title
「技術者のワーク・モチベーション」『高付加価値エンジニアが育つ-技術者の能力開発とキャリア形成』(中田喜文・電機連合総合研究企画室(編))(日本評論社)
Pages: 61-79
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[Journal Article]2009
Author(s)
藤本哲史
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Journal Title
「ワーク・ライフ・バランスと企業組織への課題」『叢書・働くということ(4)人事マネジメント』(佐藤博樹(編著))(ミネルヴァ書房)
Pages: 133-160
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