2007 Fiscal Year Annual Research Report
インドにおける消費パターンの変動と経済成長、1950-80年:中下層階層を中心に
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19330074
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
柳澤 悠 Chiba University, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (20046121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 貴子 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (10307142)
杉本 良男 国立民族学博物館, 教授 (60148294)
杉本 星子 京都文教大学, 人間学部, 教授 (70298743)
粟屋 利江 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00201905)
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Keywords | 経済史 / インド / 消費 / 生活スタイル / 教育 / 経済成長 / 非農業雇用 / 都市化 |
Research Abstract |
1.本年度は,主に次の作業を行った。(1)インド・チェンナイのRoja Muthiah Research Libraryにて、タミル語雑誌"Kumutam""Ananta vikatam"(1950-70年代)掲載広告を収集し、その分析を開始した。(2)ダシジャーヴール県ティラスターナム、ティルヴァイヤールにおける1950年代以降の消費動向の経年変化に関する聞取り調査を行った。(3)テイルチラーパッリ県村落で聞取り調査を行った。(4)インドのNational Council of Applied Economic Research等にて統計資料の収集を行った。(5)これら統計の電算機入力を開始した。 2.これらの作業を通じて、次のような予備な知見を得た。(1)南インド村落の下層階層においては,1970年代に歯磨き使用の開始など日常品消費の変化が生じはじめ,80年代以降に自転車やラジオなどの低価格耐久消費財の浸透が始まった。調査村では,ほとんどの下層階層の家屋が,藁葺家屋から瓦レンガ家屋に建替えされた。(2)1970年代には,自転車は有力村民のシンボルであったが,今日では,村民のステイタス・シンボルはバイクや自動車に替わった。(3)たとえば下層階層の一部も都市の私立小学校に子供を通学させるなど,教育面や生活スタイルの面でも変化が生じつつある。(4)村民の消費生活の変化の背景には,村民の非農業的な諸職業への就職や兼業の著しい進展がある。村民闇の格差は,かつてのように農業関係収入の多寡でなくて,主として非農業収入の多寡によって決まるようになうている。(5)都市近郊の農村地域の-部は都市通勤民の居住地域化するなど,農村社会の非農業化が生じている
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Research Products
(20 results)