Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 廣光 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80093029)
岩田 智 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00232679)
岡田 美弥子 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (30333587)
谷口 勇仁 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (60313970)
坂川 裕司 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (40301965)
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Research Abstract |
研究プロジェクトの最終年度である平成21年度は,概ね研究計画どおりに研究が進展した.具体的には,戦略的協働を通じた価値創造モデルに関するこれまでの研究成果をまとめ,(1)学会報告を行い(8件),(2)個々の論文として発表するとともに(10件),(3)研究の集大成として,著書として刊行するために原稿を執筆した.当該書籍に関しては,現在,原稿の最終的な調整段階にあり,近日中に有斐閣から『戦略的協働の本質-NPO,政府,企業による価値創造』として公刊されることが決定済みである. 本研究によって解明された戦略的協働を通じた価値創造は,21世紀の社会の課題に挑むための方法の1つである.この戦略的協働は,今日,世界中で急速に増加しつつあり,多元的な社会的価値の創造に対して大きな潜在力を秘めている.3年間の研究プロジェクトの結果,戦略的協働を通じた価値創造に関する7つの協働プロジェクトの詳細な事例研究を通じて,戦略的協働の本質が明らかにされた.われわれの研究成果は,上述の書籍中の最終章において,18の命題として提示されている.これら18命題は,(1)参加者の特定化と協働の設定に関する命題,(2)アジェンダの設定を解決策の特定化に関する命題,(3)組織のやる気と活動に関する命題,(4)協働の決定・正当化と協働の展開に関する命題の4つに区分されて整理された. 本研究の意義は,大きく次の3点である.第1に,戦略的協働を通じた価値創造を分析するための理論的枠組である協働の窓モデルが導出された.第2に,戦略的協働を通じた価値創造の実態が正確に解明された.第3に,戦略的協働を通じた価値創造に関する実践的指針が提示された.
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