2009 Fiscal Year Annual Research Report
滞日外国人における家族危機と子どもの社会化に及ぼすその影響の社会学的研究
Project/Area Number |
19330114
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
宮島 喬 Hosei University, 社会学研究科, 教授 (60011300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山脇 千賀子 文教大学, 国際学部, 准教授 (40302343)
イシカワ エウニセ・アケミ 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (60331170)
坪谷 美欧子 横浜市立大学, 国際総合科学部, 准教授 (80363795)
本田 量久 立教大学, 社会学部, 助教 (90409540)
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Keywords | 外国人 / 家族危機 / 失業 / アイデンティティ危機 / 子供の社会化 / 高校進学 |
Research Abstract |
本年度は最終年度であるので、次の三つ課題に集中し、以下のような成果を得た。 1.外国人の保護者と子どもたちが家族危機をどのように経験しているか、を個別的に知るために、20名ほどの対象者(外国人自身と支援ボランティア)に、詳細なインタビューを行った。15項目の質問に従い、実施した。その結果から得られた主な知見は次の通りである。 ・2008年以来の経済危機のため多くの外国人は失業または不安定雇用の下にあり、家族内相互行為も不安定化している(特に父親のアイデンティティの動揺)。 ・不就学というケースは減っているようであるが、少数ながら学校を拒否し日本語の習得も拒み、自閉症的に家に閉じこもっている子どももいる。こうした子どもをどこでケアすべきか検討が必要である。 ・子どもの就学を案じる親が増えできているが、子どものサポートができるほどの知識をもつ親はいず、学校と地域の支援の必要が増大している。 ・外国人の高校進学は比率としては上昇し、推薦、特別入試、夜間高校進学などで50%程度に達している県もある。しかし入学後に引き続き日本語や学習のサポートがないと学習継続は困難である。その体制が求められている。 2.岐阜県美濃加茂市の外国人児童生徒への施策の総合的な聞き取り調査を行い、プレスクールの運営について知見を得ることができた(09年11月)。 3.3年間の研究の成果を取りまとめ、報告書を作成した。そのための研究会を、研究協力者を含めて数回行った。
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Research Products
(3 results)