Research Abstract |
当該年度は,本研究の初年度であるので,数回にわたり研究会を開催し,まずアジア・太車洋地域の環境問題,環境運動等についての研究対象地域と問題群,研究分担者および研究協力者による地域別,テーマ別の分担の決定,資料収集の方法,当該年度内の資料整理目標の設定棟についての検討などから研究活動を開始した。 本研究の準拠点となっているのは,環境社会学の先駆者である飯島伸子の編著書.『公害・労災・職業病年表・新版』(すいれん社刊)である。同書においては,日本を中心とし,諸外国の事件・動向を含めて,包括的な環境問題関連項目について,1975年までの出来事が年表化されており,また同氏はその後1985年までの研究を完成させている。本研究においては,その後の1985年から2005年までをー応の対象期間とし,その間の環境問題の顕著なグローバル化,ボーダーレス化,テーマの多様化等を融案し,飯島氏の研究(年表作成)手法に加えてアジア・太平洋地域を中心とした国別の分析・整理,飯島氏の時期には十分分化したテーマとなっていなかった地球環境問題,エネルギー問題等について,テーマ別の時系列的に整理していく方法を採用することとした。こうした方法によって,今日の多様な環境問題が,時系列的かつ地理的・水平的関係性として,立体的に分析するための有用な基礎データを提供しうる。 当該年度においては,研究作業の中心は,資料収集とその整理に力点が置かれ,資料収集にあたっては,舩橋が中心となって文献資料,新聞記事データベース等を情報源として,作業補助謝金を用いて収集,内容分析,時系列的整理を行った。テーマ別には,化学物質(寺田),エネルギー問題(平林),自然保護(堀田),廃棄物(藤川),労災(堀畑)など,各分担者によってデータ分析,整理が進められた。
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