2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330139
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山岸 俊男 Hokkaido University, 大学院・文学研究科, 教授 (80158089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
結城 雅樹 北海道大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (50301859)
神 信人 淑徳大学, 総合福祉学部, 准教授 (30296298)
渡部 幹 早稲田大学, 高等研究所, 客員准教授 (40241286)
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Keywords | 協力行動 / 集団間葛藤 / 集団内行動 / 集団間行動 / 一般交換 / 適応 / 進化 / 文化 |
Research Abstract |
2007年度には、カテゴリー集団における集団内行動及び集団間行動の心理的基盤を明らかにする目的で、最小条件集団を用いた同時囚人のジレンマゲーム、順序付き囚人のジレンマゲーム、信頼ゲーム、独裁者ゲーム、直接及び間接罰ゲームを実施し、これらのゲームを用いた実験の参加者が示す内集団バイアスのほとんどが、集団内部に存在するとデフォルトで想定されている一般交換への適応行動、すなわち、集団内で他成員から資源提供を受けるために必要なプラスの評判を獲得し、また、資源提供の輪からの排除につながるネガティブな評判を回避するのに有効なデフォルトの意志決定原理であることを明らかにした。これらいずれのゲームにおいても、自集団の人間から同じ集団の仲間であると同定されているときにのみ内集団バイアスが生じ、自集団の人間を相手にしている場合でも、自集団の人間から同じ集団の仲間だと認知されていなければ内集団バイアスが生じないことが示された。ただしこの一貫した知見は、自集団の人間も他集団の人間も含め、参加者全員が男性であることが参加者に明瞭に示されている場合には生じず、その場合には、自集団の人間から同じ集団の仲間だと同定されているかどうかにかかわらず内集団バイアスが生じることが新たに明らかにされた。この結果は、内集団バイアスが、集団内一般交換への適応行動であると同時に、配偶者選択の領域における同盟形成のための行動としての側面を備えている可能性を示しており、今後の研究の進展に大きな指針を示すものである。また社会的ジレンマにおける罰行動の実験を実施し、罰行動が自己維持的となる可能性があることが示唆された。
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Research Products
(22 results)