2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330139
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山岸 俊男 北海道大学, 大学院・文学研究科, 特任教授 (80158089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
結城 雅樹 北海道大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (50301859)
神 信人 淑徳大学, 総合福祉学部, 准教授 (30296298)
渡部 幹 早稲田大学, 高等研究所, 准教授 (40241286)
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Keywords | 協力行動 / 集団間葛藤 / 集団内行動 / 集団間行動 / 一般交換 / 適応 / 進化 / 文化 |
Research Abstract |
研究計画の最終年度である2010年度には、本研究が設定した、(1)「内集団ひいきと内集団信頼に対する集団との同一化の影響」と、(2)「集団間攻撃行動の適応的基盤」という二つの主要な研究テーマを中心に、これまで実施してきた研究成果取りまとめを行い、今後の研究のための新たな研究パラダイムの提案を行った。これまでの研究成果は、これら二つの研究テーマに関して極めて興味深い知見を生み出している。まず第1の研究目的に関しては、内集団への信頼を生み出す心理メカニズムとして、集団内部において協力的な人間であるという評判を維持するための「評判管理」メカニズムが想定されることを、一連の最小条件集団実験において集団内に評判が広くいきわたらない条件では内集団ひいき行動も外集団差別行動も生じないという結果を示すことで、理論的かつ実証的に明らかにしている。第2の研究目的に関しては、これまでの研究で集団間攻撃の背後にある心理メカニズムとして想定されてきた「連合形成のための心理メカニズム」が、実は他集団からの搾取を事前に予防する機能を主として担っていることを、(1)これまで内集団ひいきが生じないとされてきた一方向知識条件においても、男性のみからなる集団では発生すること、(2)ただしその場合にも、外集団成員に対する差別的行動は生じないことを示す実験研究の結果を通して明らかにした。本年度にはこうした研究成果を4篇の研究論文(内3篇が英文論文、すべて審査付き)、7篇の学会発表論文(内2篇が国際学会)として公刊され、また数篇が投稿中である。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] The impact of theory of mind on fairness and reciprocity in preschool children2010
Author(s)
Schug, J., Takagishi, H., Okada, H., Miyazaki, M., Yamagishi, T.
Organizer
Human Behavior and Evolution Society
Place of Presentation
University of Oregon, Eugene, USA
Year and Date
2010-06-20
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