2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330141
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
村田 光二 Hitotsubashi University, 大学院・社会(科)学研究科, 教授 (40190912)
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Keywords | 自己の感情推論 / 他者の感情推論 / インパクトバイアス / 自発的推論 / 投影 / 音声情報 / 後悔 / 商品購入 |
Research Abstract |
平成20年度はまず、音声情報を用いた自発的感情推論の研究を推進した。前年度の実験結果を分析して、小森と村田が日本感情心理学会大会で研究発表を行った。別の手続を用いて行った実験結果を日本心理学会大会で研究発表を行った。これらの研究によって、概して音声情報の方が文章情報よりも感情推論を引き起こしやすいことが見出された。しかし、作成した音声刺激には問題点が残り、その後修正を進めている。他方で、平成19年度までに実施した自発的感情推論の研究を論文にまとめて投稿した(現在審査中)。自己についての感情推論の研究では、平成19年度に引き続き、商品選択場面での感情予測研究を実施した。道家と村田の日本社会心理学会大会で発表した研究では、後悔感情を予測することが衝動買いの抑制に及ぼす効果を検討した。また、商品選択や購買行動にかかわる諸側面の研究を重ねて、自己に関する感情予測研究の拡張を試みた。日本心理学会大会や2009年のアメリカの性格と社会心理学会大会で発表した研究を通じて、自己の感情推論が商品選択などの多くの社会行動を説明する可能性を持つことが示唆された。しかし、充分に説得的な実験結果が得られていないので、今後さらに検討を重ねる必要がある。実施を予定していたゲーム課題および採用面接課題を用いた感情予測研究は、課題作成に予想外の時間がかかり、平成20年度には遂行できなかった。他方で、レポート課題を用いた感情予測研究を実施したが、平成21年度に発表できる成果を得た。なお、道家・村田の「後悔の過大推測」論文は、本研究課題開始以前に実施されたものであるが、非常に関連の深い内容であり、論文の改稿には本研究課題が貢献したので、研究成果欄に含めた。
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Research Products
(10 results)