2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330141
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
村田 光二 Hitotsubashi University, 大学院・社会学研究科, 教授 (40190912)
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Keywords | 自己の感情推論 / 他者の感情推論 / インパクトバイアス / 後知恵バイアス / 後悔 / 不確実性の喜び / 商品選択 / 自発的推論 |
Research Abstract |
平成21年度はまず、これまでに実施した自発的感情推論の研究をまとめた小森めぐみを第一著者とする論文が、日本グループ・ダイナミックス学会の「実験社会心理学研究」に採択されて掲載が決定した。また、感情予測研究については主としてアメリカの最新の研究成果をレビューして、研究代表者が展望論文としてまとめた。これは、日本認知心理学会が監修した現代の認知心理学シリーズの研究代表者が編者を務めた第6巻「社会と感情」の第6章となる。研究の実施については自発的感情推論の実験を引き続き実施したが、報告できるような成果が得られたものはなかった。レポート課題を用いた感情推測の研究は、桑山恵真との共同研究として前年度の成果を複数発表することができた。また、授業場面を用いた現場研究をさらにいくつか実施した。この研究は、感情的出来事経験後の後知恵バイアスを併せて検討する方向に発展している。こういった場合の後知恵バイアスは、過去にさかのぼっての自己の感情推論としてとらえることができるだろう。これらの成果は日本社会心理学会大会やアメリカの性格と社会心理学会大会で成果を報告した。感情予測に関わる理論的枠組みとしてWilson & Gilbert (2008)が感情順応理論を提唱したが、この理論から「感情を説明することがそれを和らげる」と予測できる。そうするとポジティブ感情の場合には不確実のままの方がポジティブのままであるという「不確実性の喜び」仮説を導くことができる。これについて井上裕珠と共同で行った実験の成果も日本消費者行動研究学会などで発表した。さらに、後悔感情の経験と予測についての道家瑠見子との共同研究も継続した。加えて、馬場洋香との共同研究では多肢選択場面での後悔と満足感について検討した。他に、関連するテーマのシンポジウムを、日本認知心理学会で企画、実施した。
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[Journal Article]2010
Author(s)
村田光二
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Journal Title
現代の認知心理学6 社会と感情 第6章「感情予測」(村田光二 編著)(北大路書房)
Pages: 121-146
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